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春香「おーいA?生きてる?」
『……死んでる。』
春香「あちゃー…。」
あの後、結局私は三ツ谷の言葉に何も答えられないまま別れた。
三ツ谷は仕事でまだ大阪にいなきゃいけないらしく、私の誕生日には戻ると言ってくれた。
春香「何があったのかわかんないけど、、Aが元気じゃないと寂しい。」
『…うん、ごめんね、せっかく東京来てくれるのに。』
そして私は翌日、春香とこうして新幹線に乗っているもののモヤモヤが晴れずに春香に迷惑をかけている始末。
春香「…そういえばさ、ずっと聞きたかったんだけど、」
『うん?』
春香「…Aのご両親って、なんで亡くなっちゃったの、?それも、Aの誕生日に。」
春香は急に改まって、神妙な顔付きで聞いてきた。
『…事故だよ、交通事故。』
春香「え…」
『小3だったかな、、9歳の誕生日に、お出かけで3人で車乗ってたら、トラックが横から突っ込んで来て。』
春香「!!」
『お父さんとお母さんは即死。後部座席にいた私だけ、奇跡みたいな話だけど、、何の後遺症も残らずに助かったんだ。骨折はしたけど。』
気を遣わせないように淡々と話した。
生きてきた中でこの話をしたのは、東卍の創設メンバーと春香くらいだ。
話す人を選ぶ話題だ。
自分の中では消化出来ていても、相手にとったら重たい内容だから。
春香「…そっ、か、そんなことがあったんだね、。」
春香は分かりやすく顔色を暗くする。
『…暗い顔しないで。』
春香「…ごめん、私はAのこと何も知らなかったんだなって思って。」
『…。』
春香「お墓参り行かせてね。Aのこと産んでくれてありがとうございますって言わなきゃ。」
『!!…ふふ、うん、ありがとう。』
…話すは、放す。
昔誰かから聞いた言葉。
辛いことや苦しいことは誰かに話して、自分の中から早いこと放してしまったほうがいいって。
ほんと、その通りだなと思う。
『東京着いたらまずホテル向かわなきゃね。』
春香「ねー!どんなとこだろ、楽しみ!」
私の場合は、それを聞いてくれて消化してくれる人が周りにいてくれたから、出来たことなのかもしれないけど。
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妄想族同盟No.1(プロフ) - じゅりさん» この作品を読んでくださって、コメントをくださってありがとうございます、、!!すごく嬉しいです(泣)(泣)読者様からの温かい言葉で私が泣いてしまっています、、。更新楽しみに待っていてください!! (2021年7月28日 21時) (レス) id: ef88a247fc (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - 泣くつもりは全くなかったんですが、読んでいくうちに涙が止まらなくなりました。。。いい作品をありがとうございます!更新頑張ってください!応援してます!! (2021年7月28日 12時) (レス) id: 21e5597aaf (このIDを非表示/違反報告)
妄想族同盟No.1(プロフ) - なのなのさん» ありがとうございます(泣)(泣)(泣)そんなことを言っていただけるなんて思っていなかったです、、とっても嬉しいです!読んでくださって本当にありがとうございます!!更新楽しみに待っていてください!!! (2021年7月28日 5時) (レス) id: ef88a247fc (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - 本当にこの作品は大好きで、私のお気に入りです。 作ってくれてありがとうございます! これからも更新頑張ってください! 応援してます! (2021年7月28日 2時) (レス) id: 62e316d30c (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - 最近読ませて頂いてます! このお話凄く楽しみで、ワクワクしながら読んでます!深夜ですが作品の方を見たら更新になっていて本当に嬉しいです 更新が待ちきれない程すごく好きで、しかも一度にたくさんの話を書いてくれるので、たくさん読めて本当に嬉しいです (2021年7月28日 2時) (レス) id: 62e316d30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:妄想族同盟No.1 | 作成日時:2021年7月21日 13時