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お前なら、って思ってた。
何様のつもりだって言われたら、幼馴染み様だこの野郎って何度でも言い返せた。
マイキー「…三ツ谷。」
「…なんだよ、マイキー。」
俺はAをずっと想ってる。
マイキー「俺、Aと付き合った。」
中2の夏、マイキーは俺にそう言った。
「……そうか、よかったな。」
俺はそれしか言えなかった。
気付かないわけねぇだろ。
お前がAに惚れてるのも、Aがお前に惚れてるのも。
…気付かないわけないくせに、気付かないふりして。
マイキー「…ありがとう。」
俺はAとの関係性が壊れてしまうのにビビって、気持ちを打ち明けられないまま。
マイキー「A!ちょっと走り行こーぜ。」
『安全運転でお願いしますよ、佐野くん。』
マイキー「俺を誰だと思ってんだ!」
…分かるんだ。
もう、俺がどう足掻いたって2人の間には入れないことくらい。
お互いがお互いを本当に好きでいて、そこには確かな愛が存在してた。
誰も引き裂けない。
誰も邪魔出来ない。
『あ、三ツ谷!』
「…んだよ。」
『ね、これ佐野には内緒ね。』
「!!」
『さっき駄菓子屋のおばちゃんにオマケでもらったの。三ツ谷の分と、あとマナちゃんとルナちゃんにあげて。』
…Aはずるい、本当に、ずるい。
何度も諦めようとして、その度に好きになる。
「…A!」
『!うん?』
叶わなくていい。
俺が幸せに出来なくていい。
俺じゃない奴といるほうが幸せそうに笑うお前も、含めて、全部が好きなんだ。
「……幸せに、なれよ。」
だから頼むから、お前はこれから先もマイキーの隣で笑っててくれ。
馬鹿みたいに幸せそうにしててくれ。
『?なんて言ったの!もう1回!』
マイキー「…。」
「…なんでもねぇ!早く走り行ってこい!」
『あー!そういうの無し!帰ってきたら絶対言わせるから!』
この気持ちに折り合いがつく頃、お前の名字は佐野にでもなってるんだろ。
俺の気持ちはこれからも隠していく。
何があっても言わないでいる。
そう、決めていたんだ。
*
「っ、マイキー、?」
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妄想族同盟No.1(プロフ) - じゅりさん» この作品を読んでくださって、コメントをくださってありがとうございます、、!!すごく嬉しいです(泣)(泣)読者様からの温かい言葉で私が泣いてしまっています、、。更新楽しみに待っていてください!! (2021年7月28日 21時) (レス) id: ef88a247fc (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - 泣くつもりは全くなかったんですが、読んでいくうちに涙が止まらなくなりました。。。いい作品をありがとうございます!更新頑張ってください!応援してます!! (2021年7月28日 12時) (レス) id: 21e5597aaf (このIDを非表示/違反報告)
妄想族同盟No.1(プロフ) - なのなのさん» ありがとうございます(泣)(泣)(泣)そんなことを言っていただけるなんて思っていなかったです、、とっても嬉しいです!読んでくださって本当にありがとうございます!!更新楽しみに待っていてください!!! (2021年7月28日 5時) (レス) id: ef88a247fc (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - 本当にこの作品は大好きで、私のお気に入りです。 作ってくれてありがとうございます! これからも更新頑張ってください! 応援してます! (2021年7月28日 2時) (レス) id: 62e316d30c (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - 最近読ませて頂いてます! このお話凄く楽しみで、ワクワクしながら読んでます!深夜ですが作品の方を見たら更新になっていて本当に嬉しいです 更新が待ちきれない程すごく好きで、しかも一度にたくさんの話を書いてくれるので、たくさん読めて本当に嬉しいです (2021年7月28日 2時) (レス) id: 62e316d30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:妄想族同盟No.1 | 作成日時:2021年7月21日 13時