私の胸の鳴る理由(1) (ページ10)

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Aside

「いいんだ、このままで。ずっと片想いのままで。私はただ、隼人くんが許してくれる間は、勝手に隼人くんのこと好きでいたいの」

「振られた時、すっごく苦しくて、あー告白なんてしなければよかったなって思ったし、その後も何度も諦めようとしたんだけど･･･でも、無理だったんだ」

麻友ちゃんのおかげではっきりわかった気がする

「隼人くんを好きな気持ちはね、心の問題じゃなくて、もう私の体の一部なの」

麻友ちゃんにとっては、隼人くんを好きということに関して目障りな存在かもしれない

だけど、ここだけは譲れないって

そう気づいた

麻『･･･なにそれ。ほんとバカみたい...』

なぜか打ちのめされたように、麻友ちゃんは俯いている

麻『あたし、昨日、隼人くんに思いっきり振られた』

呟くようにそう言うと、麻友ちゃんは顔を上げて私を見た

麻『前みたいに付き合うことはないって、ハッキリ言われた』

「･･･え、？」

麻『だから、これからはまた友達に戻ろう、私たち。恋のライバルじゃなくて』

「･･･麻友ちゃん」

一歩、もう一歩と麻友ちゃんに近づいて抱きしめる

「当たり前だよ。私たちはずっと友達だもん」

麻『ふふ笑』