私の胸の鳴る理由(1) (ページ9)

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Aside

数十分後、私はメッセージの送り主である麻友ちゃんと公園にいた

麻『これ、昨日のお詫び』

麻友ちゃんがクッキーの入った紙袋を私の胸に押し付けた

「え、いいのに。そんなの気にしないでよ」

麻『これで貸し借りなしね』

「え...？」

麻『ほんとのこと言って』

昨日までとは違い、冷たい笑みを浮かべて私を見つめる麻友ちゃん

麻『Aちゃん、隼人くんと友達なんて嘘でしょ？キャンプの時から、隼人くんのことばっかり目で追ってたじゃい』

麻友ちゃんは、再会したあの時から私の気持ちに気づいていたんだ...

協力してとか、相談に乗ってとか、あれは全部私への牽制のようなものだったのかと、今更思い至る

麻『･･･バカみたい。ずっと片想いのくせに。あたしは、隼人くんの彼女になれたんだから･･･』

キッとして私を睨みつける

麻『ただの幼馴染くらいのAちゃんとは違うんだから！あたしと隼人くんの間には、特別な繋がりがあるんだよ！』

なぜか泣きそうな顔で、激しく言い募る

麻友ちゃんにこんな思いをぶつけられるのは初めてだった

分かるよ、その気持ち

私も同じだもん...

麻友ちゃんは本当に隼人くんのことが好きで、私と同じように必死で恋をしているだけなんだと、痛いくらいに感じる

「･･･そんなの、わかってるよ？」

私は静かにそう言った