私の胸の鳴る理由(1) (ページ7)

今日:24 hit、昨日:16 hit、合計:7,843 hit

36 ページ7

Aside

腕の中から脱出して距離を取る

長『ひでー。冷たいの』

そう口を尖らせながらあざとく拗ねる泰広くん

残念だけど、幼馴染フィルターがかかっている私には、他の女の子たちみたいにそんな小芝居には騙されない

長『デートした仲でしょ？』

「デートじゃないでしょ...！」

私はそう言って、逃げるように教室へ走っていった

No side

長『ちょっと待ってよ、A･･･』

有『長谷部』

そそくさと逃げていったAを追っていこうとした長谷部を、行かせないというように有馬が前に立ちはだかった

長『おお、おはよう。昨日はお疲れさん』

有『･･･お前、あんまりAにしつこくすんなよ』

長『えー？』

有『あいつ今、嫌がってただろ』

長『だって、A面白いんだもん』

有『女と遊びたいなら他あたれって言ってんだよ』

有馬は怖い顔で長谷部を睨みつける

長『･･･それ、なんで君が言うの？』

突然、長谷部の目つきが変わった

有『友達に変なの絡んできたら、普通止めるだろ』

長『ふーん。じゃあ俺がAに本気になったら、有馬くん止めないんだ？』

今度は有馬の目が鋭くなる

長『有馬くんさー、前にAのこと振ってんでしょ？それなのに友達とか言って、こうやって干渉する権利なくない？』

長谷部は有馬の耳元に口を近づけ

長『卑怯だね』

有『･･･っ、！』

そう囁いた

有馬が何も言い返せないのを見て取ると、長谷部は笑いながら去っていった