私の胸の鳴る理由(1) (ページ4)

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Aside

しばらく休んだ麻友ちゃんは、ひとりで歩けるくらいに回復していた

有『俺、こいつ家まで送ってくわ』

隼人くんは麻友ちゃんのバッグを持ちそう言った

まだ、一緒にいたかったな･･･

この後レストランでご飯を食べたり、日が落ちた頃に浜辺でお散歩したり

いろいろ考えてたんだけどな...

でも今の麻友ちゃんは病人だし仕方ない

長『ああ。麻友の父親さんが、駅についたら電話してって』

麻『ごめんね、Aちゃん』

麻友ちゃんが申し訳なさそうに両手を合わせて謝った

「ううん、気にしないで！気をつけてね。みんなには言っておくから」

私がそう言うと隼人くんが頷き、駅方向に歩き出した

小走りに追って行った麻友ちゃんが、隼人くんの腕を掴んで寄りかかりながら歩いていく

「･･･っ、」

恋人同士のような2人の後ろ姿を見ると胸がチクリと痛む

私はくるっと背を向け、レストランまでの海岸沿いの道を泰広くんと共に歩いた

「･･･あ、アイス溶けちゃったね」

隼人くんが買ってくれた4人分のアイスは袋の中で溶けてしまっていた