私の胸の鳴る理由(1) (ページ26)

今日:27 hit、昨日:16 hit、合計:7,846 hit

55 ページ26

Aside

目の前の暗がりで、激しく抱き合ってキスをしているカップルがいた

慌てて踵を返す

長『なにうろたえてんの？笑あんなの、付き合ってたら普通のスキンシップじゃん。別に特別なもんじゃないよ』

「でも、好きな人とするんだよ？嬉しいし･･･きっと、周りなんか目に入らないくらい、」

長『そんないいもんじゃないって』

苛立ったように泰広くんが遮る

頭ごなしに否定され、ファーストキス未経験の私は少しムッとした

「泰広くんはモテるから、こういう気持ちわかんないんだよ。本当に誰かを好きになったら＿＿＿＿」

突然、腕を引き寄せられ、声を上げる間もなく、泰広くんにキスをされた

どんどん頭が真っ白になっていく

背後でまた、大きな花火があがる

長『･･･ね？思ったより普通っしょ？』

パチンッ！

唇を離した泰広くんの頬に、思いっきり平手打ちをした

「･･･最っ低...！」

私は涙目になって、その場を駆け出した