私の胸の鳴る理由(1) (ページ25)

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Aside

トイレの鏡の前に立って、呆然と自分の顔を見つめる

麻友ちゃんの言ってた“特別な繋がり”って、やっぱりこれのことだったんだ...

「･･･やっぱり、ダメなんだ」

両想いなんておこがましすぎた

どんなに頑張っても、私は隼人くんの “特別” にはなれない

たまらず、私はその場にしゃがみ込んだ

「･･･わたしじゃ、無理なんだ......」

もう立ち上がれそうにないや

私の目には、涙が溢れた

ぼんやらしてトイレから出ると、丁度泰広くんが通りかかった

長『迷子はっけーん』

「、、、」

長『A、ひとり？』

「ううん、隼人くんと一緒だったんだけど･･･はぐれちゃった...笑」

隼人くんのところ戻っても、普通に話せる自信ないな...

長『･･･一緒に探してあげよっか』

特に断る理由も見つからず、いつもの成り行きで泰広くんと参道を歩くことになった

隼人くんに負けず劣らず、女の子の視線が熱い

『あの人めっちゃイケメンじゃない？』
『思った。声かけちゃおうかな〜』
『やめときなって。隣の人絶対彼女でしょ。あんな可愛い子に勝てるわけないよ』

『あの女の子ちょー可愛いんだけど』
『一緒に花火見て〜』

長『A大人気じゃん』

「いや、泰広くんこそ」

そんな会話をしていると、夜空に一際大きな花火が打ち上がった

長『おー、綺麗』

立ち止まって見上げる

隼人くんと一緒に見たかったな...

諦めなくちゃいけないのに、どうしても私の全身は隼人くんでいっぱいになってしまう

長『どうかした？』

私の様子に気づいて、泰広くんに顔を覗き込まれる

「え？別に･･･っ、！」

歩き出そうとしたとき、私はハッとして立ち止まった