私の胸の鳴る理由(1) (ページ23)

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Aside

海で隼人くんが麻友ちゃんを抱き抱える時に見えた、あの首筋のなった後のような傷跡

「うん...」

有『あれ、俺のせいなんだ』

「え？･･･いや、でもあれは事故で」

高一の終わりに起きた不慮の事故だって＿＿＿

有『俺のせいなんだよ』

「･･･え？」

有『転校が決まった時、あいつにそのこと、話したんだ』

No side

麻【じゃあ、私たち離れ離れになっちゃうの？】

転校することを告げると涙声で不安そうにそう言った

有【大丈夫だって。学校は離れるけど、電車で行けない距離じゃないし】

麻【ムリだよ！あたし自信ない！】

麻友から告白して付き合い始めた二人

やることなすこと物珍しくて一番楽しい時期だった

麻【だったら今、別れる。離れ離れになってダメになるくらいなら、今ここで別れる！】

そんな言葉と裏腹に、有馬に抱きつく麻友

今考えれば、離れるのが不安で、有馬の気持ちを試したかっただけだったんだと

だけど、その時の有馬はまだ幼くて、麻友の気持ちを汲み取ってあげられなかった

有【･･･分かった。麻友がそうしたいなら、それでいいよ】

そうやって納得するとこが、優しさなんだと思ったから＿＿＿

麻友に背を向け、数メートル歩いた時

ガサッ！

背後から何かが倒れる音がし、慌てて振り返ると、麻友の姿が見えなかった

有【･･･麻友？】

よく見ると、花壇から倒れている足が見える

有【、！麻友！麻友！】

おびただしい血を流している麻友の青ざめた顔

ショックで貧血を起こして倒れた麻友は、花壇の柵で怪我をしてしまった