私の胸の鳴る理由(1) (ページ22)

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Aside

人混みから少し離れた静かな場所に行き、座ってかき氷を食べる

隼人くんと肩が触れ合うくらい近くて、味なんか全然分からない

ぼーっとしながら、かき氷を口へ運んでいると、不意に隼人くんが私の手ごとスプーンを掴み、かき氷をパクッと頬張った

「･･･ちょっ、！なに？」

か、間接ちゅ...！

有『メロンも試す？』

「･･･うん」

有『ん』

私が返事をすると、隼人くんはメロン味のかき氷をすくって、スプーンを私の口元に差し出す

隼人くん、さっきからすごい積極的で心臓が持たない･･･

かき氷屋の大将にアドバイスをされたことなど知る良さもない私は、ドキドキしながらぱくりと食べた

有『どう？』

「･･･メロンの味」

有『そりゃそうだ笑』

「･･･みんな、心配してないかな」

有『どうせまたさっきのところに集まるし』

「そっか」

花火大会が始まる前に、最初の待ち合わせ場所に集合する約束になっている

ふと、隼人くんが私の下駄の足元を見た

有『足、大丈夫か？』

「え？あ、うん！」

有『我慢すんなよ』

「ふふ笑ありがとう。隼人くんって心配性だよね」

有『そうか？』

「うん。言ったでしょ？私は大丈夫だって」

隼人くんは一瞬、迷うような素振りを見せ、俯き加減で言った

有『Aさ、麻友の耳の後ろの傷、見たことあるよな』