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Aside
休日のショッピングモールは、家族連れやカップルなど、たくさんの人で賑わっている
私もそのひとり
今日はそろそろ夏に入るということで、夏服を新調しようと洋服屋さんを見に来た
「･･･あれ？」
次はどこのお店を回ろうか、と歩いていたらショーウィンドーを見ている、見覚えのある後ろ姿
「え、どうしたの泰広くん！？」
見てみると泰広くんは口元にできた傷を、痛そうに摩っていた
ショッピングモールを出た私たちは、リバーサイドの東屋にやってきた
長『なにも殴ることなくね？』
泰広くんはベンチに座って不貞腐れている
この傷は、さっきまで一緒にいた女の子に殴られてできた傷らしい
「泰広くんがその子の気に触ることしたんでしょ？」
水道で濡らしたハンカチを持って泰広くんの隣に座る
血の滲んだ口の端をハンカチで拭った
痛そうだな･･･
長谷部side
Aとこんなに接近したのはいつぶりだろう...
片手で数えられるくらい
それも前回はきっと中学の頃とかだし、A距離感バカだから無意識にこの距離になるし、その時は俺も気にしてなかったし･･･
とにかく今、ガラにもなく落ち着かない
「･･･モテると、色々大変なんだよ」
さっき殴ってきた、派手な梨々子と違って、薄い青色地の清楚なワンピースに、色の薄いリップを付けているくらいのA
ほとんどメイクはしてないように見えるけど、クルンとカールしたまつ毛、滑らかな白い肌に自然な血色の頬、ぽてっとした柔らかそうな唇
Aのナチュラルな可愛さに気づくたび胸がドキドキする
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作者名：こばと | 作成日時：2023年10月12日 23時
