私の胸の鳴る理由(1) (ページ11)

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No side

和『篠原。篠原つかさー』

出席をとる和久井の声が教室に響く

和『それと、鳴瀬Aも。2人は休みか？』

み『連絡なかったよね？』

みどりが弥生を振り返りそう尋ねる

高『連絡ないっすー』

有『･･･』

有馬はぽつんと空いたAの席を見つめた

昨日のAはなんか変だった。避けられているような気がしたし、下校の時もフォローがどうのと＿＿＿＿

バーンッ

つ『間に合ったぁ〜っ！』

バタバタと廊下を走る足音が聞こえてきたと思ったら、勢いよく教室の戸が開いてつかさが登場した

和『間に合ってないぞ。アウト』

A『う、うそ〜･･･』

非情にも和久井が宣言すると、つかさの後ろで弱々しく呟くA

つ『先生、いたの！？』

和『2人とも、あとで職員室に来なさい』

今週は遅刻者ゼロキャンペーン中で、対象者は反省文を書く特典付き

つ『そんなぁ〜･･･』

つかさが情けない声をあげ、壁にずるずるともたれかかると、教室にどっと笑いが起きる

有『･･･笑』

Aもいつもの様子で、ほっとした有馬はクスクスと笑った

Aside

「失礼しました･･･」

お小言をもらった後、つかさちゃんは係のことで先生に捕まってしまい、私一人で職員室を出た

偶然同じタイミングで遅刻したつかさちゃんとばったり会い、2人で急いで走ったけど間に合わなかった

昨日、続きが気になって遅くまで本を読んでいた自分を殴りたい

はぁ、よりによってなんでこんなタイミング･･･

ため息をつき、教室へ戻ろうとしていると、向こうから隼人くんが歩いてきた