ギフテッド

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Aside


AOYAMA



と書かれたレコーディングスタジオに着いた私たち



しばらくすると中からひとりの人が出てきた


この人は確か、長男の一樹さん



一『お待たせしました。刑事さん、彼らは？』


天『気になさらないでください。とある理由で捜査に協力してもらってるんです』


一『どうぞ』



そう言って横にあった別の扉の中へ入った



天『一樹さんたちご兄弟は皆さん、亡くなった稲垣剛蔵さんとは血縁関係がないそうですね』


一『えぇ。2年前に亡くなった母の連れ子なんです』


天『事件当日、一樹さんはどこで何をされていましたか？』


一『それなら、もう別の刑事さんにお話ししましたけど』


天『すいません、警察はしつこくて』


一『父は、実家で拉致されたんですよね？』


天『はい。午後8時頃。つなぎにヘルメットを着用した犯人に連れ去られ、その後、葉山にある別荘で殺害されています』


一『だったら私にはアリバイがあります。その時間はここでレコーディングをしていましたから』



そう言って、一樹さんは横にあるピアノの白盤を指で弾いた



一『午後5時から8時までの3時間、スタッフも一緒にいたので間違いありません』



この部屋には防犯カメラが付いている


この証言は嘘ではなさそう

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