過密の彼岸【文スト×HQ】 (ページ26)

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GW初日の早朝、合宿時近くの体育館。

まだ誰もいないこの場所で、一人で私はバレーボールの準備をしていた。

｢…あとはトイレの確認と…｣

『時間が無いからね、実践で覚えてもらおう』

そう言われた昨日の言葉を思い出しながら、指示の書かれた紙を片手に安全確認をしていた。

｢…異常なし、オールクリアです｣
『了解!!報告ご苦労さま!!あとは自由にしてていいよ!!あ、でも』

電話越しで青年の声がする。

昨日仕事仲間となった中島さんの声だった。

『これは毎朝毎晩やってね!!いつ迷い込まれてもおかしくない状況だし!!場所も場所だし…』
｢承知しました。万全を期して行います｣

全ての指示に従ってはや1時間半。

明日はもっと早いかとは思うが、やはり不振な行動と思われないように動くのは新人には厳しい。

しかもこの体育館(及び宿泊施設も含む)の立地は良いものとはいえず、ヨコハマ内とはいえ、探偵社よりポートマフィア本部の方が近い。

知らずに近づいたら痛い目を見るのは予測できることだった。

｢…いつも道理、目立たず、騒がず、近づかず…｣

コート外で深呼吸する。

ガラリと、体育館のドアが開いた。

｢…一昨日ぶりです、皆さん｣

目を丸くした部員達が、体育館に入ってきた。