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私には私にしかできないことがある。

そういったのは太宰さんだった。






「明日から、白鳥沢で関東遠征があるだろう?」
「…どこでその情報を」
「情報元はこの際関係ない。それを知られたらいけないことが起こる」







そういう言い方をするとなると、彼らは依頼主にこのことを伝えてはいないみたいだ。

あくまで捜索だけで、その他は専門外と割り切っているらしい。

もっとも、私の生い立ちを知っているのだから、父の素性も知っているのだろう。






「合宿場所はヨコハマ周辺。場所までは特定してないけど、まあだいたいの目星はついている。ということはだ」
「…バレーはチーム競技。故に大人数で行動せざるを得ない。その部活に関わりを持っていた私を追うには、彼らをおうのが今は最善。しかも強豪校で、寮持ちともあらば学校から集団で移動がセオリーだから、勝手に道案内までしてくれる」
「やはり、頭がいい」






父が私を見つけて残っていた理由のひとつだろう。

しかも強豪校であれば、調べれば顔も名前もバッチリ出てきてしまう。

なんとまあ性能のいいナビであろう。






「…私は、彼らを守りたくてここに来ました。そして、









父を在るべき場所に送り出します」








初めて、上を向けた気がした。

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作者名:あんにん会長 | 作成日時:2019年8月19日 22時

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