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会釈した青年は、どこからか大きなカバンを持っていた。

それは、私がよく知るもので、宮城に来る時に持っていたカバンだった。






「…どうして、それを」
「いやあ、流石あのおばあさんは物わかりがいいんだね!!言えば直ぐに用意してくれたよ!!…孫までも失うのは耐え難かったみたいだ」
「…あなたが監督さんでしょうか…こちらの書類を」






もう部活再開の時間。

青年から渡された資料を読む監督とコーチ。

意味深な言動。







「…なら、私をヨコハマに連れ帰ればよかったでしょう。ここでこの部を巻き込まず、探偵社で匿ってくれれば」
「だったら君は、初めからボク達のところに来ていた。でもそれをしなかったし、君は1週間逃げなかった。つまりは君が1番知っているのだろう?この部を出ていくことが、1番この部に危険が生じることを。生半可に関わっていはいけないと知っておきながら、甘い汁を啜ったのは君だ」







江戸川さんの片目が開かれたまま、図星をつかれた。

周りの部員達はゆっくりと離れ、状況を見守っている。








「…ここの校長にも直談判した。君は敷地内の寮に、危険が脅かされないと判断されるまで過ごすんだ。必要なものは、この谷崎くんが運んでくれる」
「谷崎です、よろしくね…」








これから、私の逃亡劇が始まる。

見ちゃいや→←い


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作者名:あんにん会長 | 作成日時:2019年8月19日 22時

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