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会釈した青年は、どこからか大きなカバンを持っていた。
それは、私がよく知るもので、宮城に来る時に持っていたカバンだった。
「…どうして、それを」
「いやあ、流石あのおばあさんは物わかりがいいんだね!!言えば直ぐに用意してくれたよ!!…孫までも失うのは耐え難かったみたいだ」
「…あなたが監督さんでしょうか…こちらの書類を」
もう部活再開の時間。
青年から渡された資料を読む監督とコーチ。
意味深な言動。
「…なら、私をヨコハマに連れ帰ればよかったでしょう。ここでこの部を巻き込まず、探偵社で匿ってくれれば」
「だったら君は、初めからボク達のところに来ていた。でもそれをしなかったし、君は1週間逃げなかった。つまりは君が1番知っているのだろう?この部を出ていくことが、1番この部に危険が生じることを。生半可に関わっていはいけないと知っておきながら、甘い汁を啜ったのは君だ」
江戸川さんの片目が開かれたまま、図星をつかれた。
周りの部員達はゆっくりと離れ、状況を見守っている。
「…ここの校長にも直談判した。君は敷地内の寮に、危険が脅かされないと判断されるまで過ごすんだ。必要なものは、この谷崎くんが運んでくれる」
「谷崎です、よろしくね…」
これから、私の逃亡劇が始まる。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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作者名:あんにん会長 | 作成日時:2019年8月19日 22時