沼地 ページ36
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決意＿＿それはいとも簡単に崩れてしまうもの。
「A、好きだよ、愛してる。」
その言葉の意味を疑いながらも、触れた手の温かさに私の決意は溶け出し形を失ってしまう。
まるで私の迷いが分かっているかのように、強く手を握られる。そして結局、私の口は愛の言葉を紡いでしまう。
「朝倉さん……あの……私も愛してます。」
この寂しい部屋で夢の続きを見るのは今日が最後。
明日になったなら、この温もりを手放そう。
そして、元の場所へと彼を見送ろう。
そう自分に諭しながら抱かれる。
愛しい寝息の隣で目覚め、二人だけの朝を過ごす。
その幸せに溺れる朝は、「またね」の切なさに襲われる朝は、離れたくないと心が叫ぶ。
今度会った時は、さよならしよう。
そう自分に諭して部屋を出る。
だけど、会う度に彼に何度も恋をして、耳元で囁かれる甘い言葉で「別れましょう」の一言が封じられる。
そんな日々を繰り返した。
「朝倉さん、もう別れましょう。」
一生分と言っても過言ではない程の勇気をかき集めて、私の口はついにその言葉を象った。
けれどそれは、彼の一言で虚しく風に飛ばされてしまうほど脆かった。
「そんな……。僕は君と離れたくない。お願いだから傍に居て欲しい。」
切なく揺れ動くその瞳に、私は勝てなかった。
"離れたくない"
"傍に居て"
私を縛り付ける細くとも頑丈な鎖。
隆の身勝手な愛に応えられないと言っておきながら、朝倉さんの身勝手な望みに簡単にひれ伏す私は、最も身勝手なのだろう。
深い沼に足を掴まれた私は、もう抜け出せないのだろうか。
だが、諦めかけたとき、またそれはやって来た。
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megumi(プロフ) - いなすらさん» ありがとうございます！ご期待に沿えるよう、頑張って執筆します(^^) (2019年5月22日 18時) (
レス) id: 04e98a2c19 (このIDを非表示/違反報告)
いなすら(プロフ) - めぐみさん» 誤字でしたか(笑)大丈夫ですよ！続き楽しみにしております((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘﾝ (2019年5月22日 17時) (レス) id: 4bc43cc691 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - いなすらさん» いなすらさん、ご指摘ありがとうございます！誤字です、申し訳ありません。すぐに訂正いたしますm(__)m (2019年5月22日 17時) (レス) id: a2b7118433 (このIDを非表示/違反報告)
いなすら(プロフ) - 作品名、幸せだからいになっていますが、誤字でしょうか？意図的なものではないと思いますが、そうだったらすみませんm(*_ _)m (2019年5月22日 15時) (レス) id: 4bc43cc691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：megumi | 作成日時：2019年5月21日 5時
