推しが百八人…… ページ9
『じゃあまた…』
「お幸せに〜」
「惚気今度聞かして〜!江口さんにも伝えとくから!!」
あの後、じれったカップルとして散々いじられ、花江さんは「俺めっちゃカッコ悪くね?」と沈んだり浮いたり食べたりしていた。
結局奢って頂いた訳なんだけど…
「A家あっちだよね?」
『あ、はい…すみません送って頂けるとは…』
「まぁ、薄暗いし…2人で話したいこともあるし
いや、俺今日色々超カッコ悪かったじゃん。」
『そうですね』
「おぉ、ズバッと…えっと……カッコつけたいからもっかいやっていい?」
確かに、走り疲れて汗と息切れが酷く、なのに丁寧に靴は揃えるし、いつの間にか告白された側みたいになってたし。
後半は0、100で私が悪いんだけど!
どうやら花江さん、
本当にお仕事に行っていたらしく絶妙なタイミングで仕事が終わり、練った計画通りにカフェに向かう途中ずっと私たちの会話を電話で聞いていたらしい。
歩いて向かっていたら、意地悪な友人(西山さん)が「食べるよね?」とまだ少し遠いいのに声をかけてきた為、全力疾走をしたらしい。
それを聞いた時、成仏して欲しいと思った。
「…そんな憐れむような目で見るなって…ほら!こっち向いて!」
『花江さん、人通りが全くないとはいえここ路地です』
「そんな危険な道通って帰ろうとしてるから俺が送ってるんじゃん!
いや、違くて!!
やっと手が届いたから…。」
向かい合い、カフェの時と同様に手をとられる。
…体温高い。
「…俺、Aのこと全然知らなくて、本当…悔しかった。
……好きです、お付き合いしていく中でAの事、もっと沢山教えてくれませんか?」
『もちろん、私も花江さんの事もっと知りたいです。』
「うん、俺がAの分と俺の分、2人分幸せ持ってくるので、応援してください。」
『多分その幸せ、沢山ありすぎて一人じゃ持てないので半分持ちますよ。』
「うわ、…Aには叶わない…」
「掴んだその手を離さない」的なニュアンスで言ったら語弊があるかもしれないが、
掴まれていた両手はいつの間にか片手になっていて、俗に言う恋人繋ぎになって歩き出していた。
告白の後半、お付き合いする前提になって話していたのは言わないでおこう…。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年5月4日 20時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
月雫(プロフ) - はじめまして!こういう声優さんの話って大体声優同士とかが多いですけど一般人というところに共通点を感じてとても素晴らしい作品だなと思いました!無理しない程度に頑張ってください!矛盾してるかもしれませんが更新楽しみに待っています! (2021年3月24日 23時) (レス) id: 557f312729 (このIDを非表示/違反報告)
喜久福 - 更新待っていました!文の構成がとても好きで何度も読み返してしまいました!花江くんと夢主とのお話を楽しみにしています!! (2021年3月7日 23時) (レス) id: 561dbe4993 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなと | 作成日時:2021年3月7日 3時