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推しが百人…… ページ1

ASide


「……」

『……?』


先程、恐らく花江さん宅であろう場所に連れてこられ、

高級そうでフワッフワッなソファに2人で座っての沈黙。



気まずすぎる。



半場強制的に連れてこられたもんだからなにか急用があるのかと思ったけど…



……もしかして…私の無礼をこの機会にお詫びしろってこと…?

いや、寧ろあれは謝らなきゃ行けないよね…。人として…。

いくら騙されてたとはいえ失礼極まりないもんね…。


美月にもどつかれそうなくらい…。



……うん…



「あのさ、」


『っ!!?』



突然花江さんにしては珍しい、低く苛立った声が沈黙した部屋に響いた。


「俺、なにかしたかな?

…俺の事好きって言ったよね?
先に出会って、仲良くなって、遊んで、プレゼントして、笑ったのは俺だったよね?」


『ぇ、な…』


「なんで江口さん達の前ではあんなに楽しそうに笑うのに、俺のことは突き放すの?」


『は、』


「俺、何した?酔ってる時?ねぇ、」



ソファの上で保たれていたソーシャルディスタンスはどんどん失われていく。


棒ゲームのヤンデレキャラが取り憑かれてしまったのだろうか、「ねぇ」と私の方に詰め寄ってくる。

性格違いすぎてもはや誰ですか状態。


これも攻略の為の作戦だろうか。



それにこの部屋に、このソファに何人の女性が来て座ったのだろうか。



『……なんなんですか』

「は…?」




『なんなんですか!?そこまで私に執着してる風なのは私を攻略してステータスにするためでしょう!?

……やめてくださいよ…私はあなたのファンだった、けど──』

「だったって、」


もう限界。

私はリアルの人間でゲームのキャラクターなんかじゃない!

ゲームキャラならもっと美人にして欲しかった!!!!



『もう…やめてくださいよ!この素敵な自宅に!何人の女性が来たんですか!?

このソファに座ったのは、甘ったるいセリフを何人に吐いたんですか!?』


「何人って何!?

確かに友達の女性声優は来たことあるけど!それ以外はAだけで、俺が執着してるのもAだけだよ!」



『…っ、』


私だけ……?

いや、騙されるな私。



「てゆうか、さっき攻略って言った?俺がAと仲良くしてる理由がAを攻略するためってこと?」


『ち、がうんですか…?』



さっきまで2人して叫んでいたせいで、今の静かな声に大きなギャップが生まれた。

そのせいで顔から血の気がひいて声が震える。

推しが百一人……→



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設定タグ:花江夏樹 , 男性声優 , 逆ハー
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年5月4日 20時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
月雫(プロフ) - はじめまして!こういう声優さんの話って大体声優同士とかが多いですけど一般人というところに共通点を感じてとても素晴らしい作品だなと思いました!無理しない程度に頑張ってください!矛盾してるかもしれませんが更新楽しみに待っています! (2021年3月24日 23時) (レス) id: 557f312729 (このIDを非表示/違反報告)
喜久福 - 更新待っていました!文の構成がとても好きで何度も読み返してしまいました!花江くんと夢主とのお話を楽しみにしています!! (2021年3月7日 23時) (レス) id: 561dbe4993 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みなと | 作成日時:2021年3月7日 3時

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