176.嘘つき ページ27
・
〈雅紀side〉
“Aちゃん、うちに大事なもん忘れてったろ”
そのメッセージはすぐさま俺の頭の中で、リーダーの声となって再生された。
舌ったらずな甘い声。
それでいて、
全てを包み込むような優しい声。
ちょっと待てよ
Aがリーダーんちに行ったってこと？
何しに？
大事なもんって？
「あ、」
自分では気づかなかったけど、動揺してたらしい。
持っていたペットボトルを床に落としてしまった。
カコンという乾いた音でAが目を覚ました。
「…ん、どした？」
「ごめん、水落とした」
台拭きで床を拭きながら答える。
俺が悪いことしてるわけじゃないのに、すごくドキドキしてた。
「一旦帰って仮眠するわ」
「うん」
Aが布団から出て、Tシャツと下着姿でこちらに歩いて来る。
机の上のスマホをちらりと見ると、もう光ってなくて、なぜだかホッとした。
「今度はいつ？」
玄関でスニーカーを履く俺の腰に、Aの腕が巻きつく。
細くて白い腕。
背中に柔らかな胸があたる。
「また連絡するよ…」
気持ちを悟られないよう、軽く抱きしめるだけで部屋を出た。
・
帽子を目深に被って、大通りでタクシーを拾う。
運転手に行き先を告げると、シートに身を沈め、スマホを取り出した。
LINEのアプリをタップして、会話を開く。
下にスクロールして行くと、10番目くらいにそのトークルームはあった。
「サカナ…」
「え？お客さん、どうかされました？」
「いやっ、何でもないです…」
やべ
独り言とか、俺、ただの怪しいヤツじゃん
深く息を吐いて、サカナとのトークルームをタップする。
会話は、サカナからの
“明日、何時入りかわかる？”
という質問に、俺が
“麹町に7:00だよ”
って答えたところで終わってた。
しばらく画面を見つめて、メッセージを打つ。
ゆっくりと確実に、間違えないように。
カタカタカタと小さな音を鳴らしながら。
文字を打ち終わって、一瞬迷った後、送信をタップした。
“Aと会った？”
どのみち返事は明日になるだろうとスマホをポッケにしまったところで、シュポンという音が鳴った。
「早っ！起こしちゃったかな…」
ドキドキしながらスマホを確認する。
画面を目にした瞬間、自分の中に黒い感情が生まれるのがわかった。
「ふーん…嘘つくんだ」
“会ってないけど？何で？”
そのメッセージはリーダーからの宣戦布告みたいに思えた。
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かおりん(プロフ) - Naoさん» 第7章もグイグイ来る大野さんをお楽しみに＼(^o^)／ (2017年10月26日 22時) (
レス) id: 06acd18c63 (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - 相葉君、ピンチ(゜ロ゜)私もリーダーにやられてます！ｸﾞｲｸﾞｲキテる！続き楽しみです！ (2017年10月25日 22時) (レス) id: b3c5110029 (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - マーさん» マーさん、コメントありがとうございます＼(^o^)／すぐ波風立てたがる悪い癖が出てしまいました（笑）まだまだ波乱の展開は続きますが、ぜひそちらも楽しみにしていて下さい。 (2017年10月25日 21時) (レス) id: 06acd18c63 (このIDを非表示/違反報告)
マー(プロフ) - 初めましてかおりんさん密かにずっと読んでました！もうイチャイチャする2人もいいですけど、グイグイ来てる大野さんがまた良くって(o´艸`)まちゃきが男くさいのもたまらないです！次回も楽しみにしてますヽ(*^^*)ノ (2017年10月25日 20時) (レス) id: 74c8070496 (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - Amoreさん» んふふー、さらにヤバイことになってます＼(^o^)／第6章これにて終了です。お付き合いありがとうございましたm(_ _)m (2017年10月24日 21時) (レス) id: 06acd18c63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおりん
| 作成日時：2017年3月29日 22時
