161.バックハグ ページ12
・
貴族姿の雅紀に手を引かれながら、繁華街を歩く。
目立ちすぎるほど目立つのに、撮影中だと思うのか、誰も声をかけてこない。
雅紀がキツく握りしめるから、手首が痺れる。
だけど、その背中が殺気立っているように見えて
手を離してとは言えなかった…。
5分ほど歩いただろうか。
裏通りに入り、私たち以外には誰もいなくなった。
たまらずに話しかける。
「ね、雅紀…どこに行くの、ねぇ」
次の瞬間、雅紀が急に止まった。
ドンッ
勢い余って背中に鼻をぶつける。
「ったぁ」
「…」
「雅紀…？」
「…」
「何か…言ってよ」
「…」
顔が見えないから、怒っているのかと不安になってくる。
何も言えずに立ちすくんでいると、急に雅紀が口を開いた。
「A…全然電話でないし」
慌ててスマホを取り出すと、メッセージに続き、何度も雅紀から着信があった。
「気づかなかった…」
後ろ姿に向かって話しかける。
「ごめんね…」
「…」
「雅紀？」
「心配した」
「ホント、ごめん…」
消え入りそうな声で言うと、ふうっと息を吐き出した雅紀がゆっくりと振り向いた。
「ううん…俺がいけないんだ。確かめもしないであんなものあげたりして」
「…でも、ほら無事だったわけだし」
ね？って顔を覗き込むと、雅紀は少し困ったように私を見た。
「あぁ、戻んなきゃ。収録の合間に雑誌の取材があってさ…ちょっとだけ抜けて来た」
「そっか」
「また連絡する」
「わかった…じゃ」
わけもなく泣き出しそうになり、胸にギュッとバッグを抱え、大通りに向かって歩き出した…
はずだったのに、
気づけば私は、後ろから雅紀に抱きしめられていた。
体ごとグイッと雅紀の方に引き寄せられる。
胸の前で握りしめた手を、雅紀が包み込む。
バッグを持っていられなくなり、地面に落としてしまった。
「まさ、き…」
「俺…Aに何かあったらって」
「…」
「そう思ったら、居ても立っても居られなくなって」
「…」
「気づいたらこんなカッコで飛び出してた」
雅紀が絞り出すように耳元で囁く。
掠れた声が鼓膜を刺激して、その場に崩れ落ちそうになるのを必死に堪えた。
「やっぱ、このまま帰したくない…」
「ん…」
「マンションで待ってて」
「うん」
「A…」
「ん？」
肩を持って雅紀の方に向けられる。
“好きだよ”
甘い囁きに涙が滲む。
こくりと頷くと、斜めになった顔が近づいて、そっと唇が触れた。
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かおりん(プロフ) - Naoさん» 第7章もグイグイ来る大野さんをお楽しみに＼(^o^)／ (2017年10月26日 22時) (
レス) id: 06acd18c63 (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - 相葉君、ピンチ(゜ロ゜)私もリーダーにやられてます！ｸﾞｲｸﾞｲキテる！続き楽しみです！ (2017年10月25日 22時) (レス) id: b3c5110029 (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - マーさん» マーさん、コメントありがとうございます＼(^o^)／すぐ波風立てたがる悪い癖が出てしまいました（笑）まだまだ波乱の展開は続きますが、ぜひそちらも楽しみにしていて下さい。 (2017年10月25日 21時) (レス) id: 06acd18c63 (このIDを非表示/違反報告)
マー(プロフ) - 初めましてかおりんさん密かにずっと読んでました！もうイチャイチャする2人もいいですけど、グイグイ来てる大野さんがまた良くって(o´艸`)まちゃきが男くさいのもたまらないです！次回も楽しみにしてますヽ(*^^*)ノ (2017年10月25日 20時) (レス) id: 74c8070496 (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - Amoreさん» んふふー、さらにヤバイことになってます＼(^o^)／第6章これにて終了です。お付き合いありがとうございましたm(_ _)m (2017年10月24日 21時) (レス) id: 06acd18c63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおりん
| 作成日時：2017年3月29日 22時
