96.気づく ページ7
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〈ルーside〉
その日の朝、相葉さんを迎えにマンションまで行き、駐車場から電話をかけると、寝ぼけ声の相葉さんが電話に出た。
「…ん、えっ？今、何時？」
「8:15ですね」
「え、マジで！？やば！ちょっと待ってて。10分で行く」
電話が切れる寸前
“A…起きて”
そう聞こえた気がして、一瞬で心臓が縮んだ。
今のは…
相葉さんの声？
それともテレビの音？
ドキドキしながら駐車場で待っていると、現れたのは相葉さん1人で、ほっと胸をなでおろす。
「きょうは雑誌だよね」
「はい」
「やべ。髪ボッサボサ(笑)」
「だと思って。はい、寝癖直しです」
運転席から体をよじって、後部座席の相葉さんに寝癖直しのスプレーと、ブラシを手渡すと
「おっ！ルーちゃん、気が利く！」
って、相葉さんが太陽みたいな笑顔を私に向けた。
たったそれだけのことなのに、胸がキュウッとなる。
さっきのあれは多分、空耳だったのだと、自分に言い聞かせ、車を発進させた。
駐車場から出て、赤信号につかまる。
その時、髪にシューシューとスプレーをかけていた相葉さんが小さく「あっ」と言った。
「え、どうかしました？」
「いやっ、なんでも」
ミラーで相葉さんの様子を伺うと、スモークガラス越しに何かを見ていた。
信号を気にしながら、そちらを見ると、出勤スタイルに身を包んだ女性が目に入る。
身なりはきちんとしているけど、髪の毛が乱れていて、スッピンのように見えた。
その女性は、車に気づくと、見えないはずの後部座席にチラッと視線を送り、口角を上げた。
相葉さんを見れば、同じように微笑んでいて…
心臓がバクバクした。
あれはきっと
相葉さんの彼女だ
その時、信号が青に変わった。
車を直進させると、女性も信号を渡って駅の方へと歩いて行くところだった。
右目の端でその姿を追う。
綺麗な人
オトナの女性だ
相葉さんは何事もなかったのように、ブラシで髪を梳かしていて、きっと、他の人だったら気づかなかったかもしれない。
だけど、私は気づいてしまった。
愛しい人に、カノジョがいるという事実に。
本当は、大野さんのアドバイス通り、きょう、ジュリーさんに事務職に戻してもらうようお願いするつもりだった。
だけど、やめた。
どのみちあと3週間で、お役御免なんだ。
このまま続けさせてもらおう。
そして、少しでも私という人間を知ってもらうんだ…。
相葉雅紀という人に。
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かおりん(プロフ) - ぴらさん» お引き立ていただき┏○)) ｱｻﾞ━━━━━━━━ｽ！緩とお楽しみ下されwww (2017年4月8日 9時) (
レス) id: 3fa5474337 (このIDを非表示/違反報告)
ぴら(プロフ) - はーんいいわぁ。もう読むのを止められない。でも仕事行って来る笑。ときめきをありがとう！ (2017年4月8日 8時) (レス) id: 136dc36140 (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - (名前)tawaさん» うちの旦那も私にべた惚れですが？←そうじゃないwww (2017年2月10日 20時) (レス) id: 3fa5474337 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)tawa(プロフ) - 「この人がベタ惚れなの」って言われてみたいですよねぇ〜*\(^o^)/*良い言葉が聴けた！ (2017年2月8日 2時) (レス) id: 9a032c209a (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - Naoさん» うふ、私は次の「困らせたげる」もなかなか気に入っておりますw (2017年2月7日 23時) (レス) id: 3fa5474337 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおりん
| 作成日時：2017年1月16日 21時
