その2 ページ36
そう。目を閉じれば、普段の噛みつきそうな歌い方とは違うアイツの顔。微笑んで、ふっかい深ーい海みたいな優しさの声。
「…帰ろっかな」
丸「うん、それがエエよ」ニコッ
送らせてやぁ〜って言ってる人を振り払って、ヒールで走る。自分の足で向かいたい。こう思うのって、付き合いたての頃みたいな…もじょもじょする感じ(笑)
丸「家着いたらメール頂戴な♪」
そう後ろから聞こえて、振り返らないけど手を振った。
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携帯を覗くと、着信とメール。
『あいつをよろしく頼む 絶対手ぇ出すなよ!!』的なん。
出せるわけ無いやん。やってめっちゃのろけられるねんもんいつも。愚痴のふりしてめっちゃおれの心をえぐるやつ〜(泣)
けど、恋してるAちゃんがええの。キラッキラしてて。それでええねん。
出来れば、一生傍で見てたいけどな。
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「ただいまぁ♪」
渋「えらいご機嫌やんけ。早かったな」
そうかな?って聞くと私じゃないとこみてニヤッてする。嬉しいならそう言えば〜?ってまとわりついてみれば、煩そうに顔を逸らすから意地悪したくなっちゃう。
「何してたの?」
渋「風呂入って…AV観ながらゲームしてた」
「………どっちかにしなよ(汗)」
TVに目をやれば、いかがわしい状態で一時停止されてる画面。今日は…教師モノかな?
別にいいけどね、好きなだけ観れば。
「私もお風呂入ってくる」
渋「ん」
なあんだ、急いで帰ってこなくても良かったかな?なんて。私の気分も波があるな。いちいち気にするからいけないんだよ……ね。
「すばる…」
ドライヤーかけながら呟いたら、いつの間にか後ろに居た彼に抱きすくめられた。
渋「早う寝よや?ずっと待っててん」
「甘えんぼさんかっ…………ふふ、歌ってくれたらすぐ寝る」
贅沢なリクエスト。髪の毛くしゃくしゃにされたけど、抱き締めたまま何がええ?って。
あれと、これとー、それと。優しいメドレー………
渋「途方もない旅の果て…ぼくら出会ってしまった…」
「それマルちゃんのパートじゃない(笑)?」
渋「ええやん。今日は俺が全部歌ったる」
呟くように、小さな歌声。でも、誰よりも近くで聴こえる、私の大好きな声。
バーで感じた違和感はこれだったんだ。スピーカーで、遠くから聞こえたってなんの意味もない。
彼が私の傍に居てくれる限り、この距離が私の最上級。
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こあ(プロフ) - イオリさん» んだべー?消えてまったのです!!アレ即対応ありがとうございます♪ (2016年11月8日 7時) (レス) id: a127aff5ea (このIDを非表示/違反報告)
イオリ(プロフ) - うえっ?!横山さん消えてる(><)読んだやーん!またおっとこまえなん待ってまーす!アレも、もう少し待ってくださいね(笑) (2016年11月8日 6時) (レス) id: 3ec8398290 (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - みゆきさん» オッケーです!私好みになってしまいますが♪多目に投下しますね~☆ (2016年10月29日 23時) (レス) id: a127aff5ea (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 村上くんです。紫さんのお話を読んで『むふっ』ってなりました! (2016年10月29日 23時) (レス) id: c2567f5f2d (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - みゆきさん» お好みは誰でしたしょうか?いつでも教えてくださいねヽ(^○^)ノ (2016年10月29日 3時) (レス) id: a127aff5ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こあ | 作成日時:2016年10月20日 2時