緊張《紫》 ページ31
「っあ…」
村「何ですか?」
「………ううん、テレビでよく拝見するんだけど、鼻くそってほじりすぎると分泌が盛んになって良いこと無いから、気を付けてくださいね」
「んんっ、それ前誰かにも言われましたわ〜気ぃ付けます(笑)」
今日も、言えなかった。ううん、言ってはいけない、のだけれど。
あなたが好きです───なんて。
この時期になると毎年喉の調子を崩す彼を担当するようになって何年か経った。一応芸能人御用達でやらせてもらっている。診察室は広めにとって、時間外にも受け付けて。
「じゃ、ネプライザーしてってくださいね。お大事に」
村「はぁい」
普段あまり風邪を引かない彼は本当に滅多に来ない。隣の部屋でモクモク薬剤を喉にあてている姿を見られるのは、今シーズンあと何回かな…
村「………………センセぇ?」
「はい?終わったら外して退出して結構ですよ」
村「終わりましたけど…先生なんか僕に言うこと無いですか?」
「ふふ、なに?何だろ(笑)」
村「僕ねぇ、これでもジャニーズなんで。あのー…モテるんです」
「そうでしょうね村「それでね?ここからは信じてもらえるか分かりませんけど…大体分かるんです、サイン」
「………」
村「………………好きや、いうサイン」
沈黙が流れた。つまりどういうこと?駄々漏れだったって…こと?
「ええ?凄い自信ね」
上手く笑えているだろうか。手のひらにじっとりと汗が滲む。彼は、くるくると丸椅子で回りながら、リノリウムの床を見つめていた。 まだだ。まだ大丈夫。リカバリーできる…
「つまりイケメンさんは誰が自分のこと好きかわかっちゃうってことか(笑)ふふ、私も気を付けないと好きだってことにされちゃうわね〜」
カルテを書きながら、興味ないですよオーラを全面に出していたのに。
村「ほんなら何でそんな泣きそうな顔してはるんですか」
「っ…///」
リカバリー…出来なかった…
近くに来た村上さんは、ずっと見てほしかった表情でこちらを見てて。あぁ…どうしよう…(涙)
村「一つだけ良いこと教えましょか」
「………?」ポロポロ
村「こんな自惚れな話、絶対成功する時しかせぇへんから///」
「んっ…/////」
持ってるバインダーで防ぐ間もなく…目の前に彼が来て、私の頭は真っ白になった。
☆切ないのん書きたい…☆
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こあ(プロフ) - イオリさん» んだべー?消えてまったのです!!アレ即対応ありがとうございます♪ (2016年11月8日 7時) (レス) id: a127aff5ea (このIDを非表示/違反報告)
イオリ(プロフ) - うえっ?!横山さん消えてる(><)読んだやーん!またおっとこまえなん待ってまーす!アレも、もう少し待ってくださいね(笑) (2016年11月8日 6時) (レス) id: 3ec8398290 (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - みゆきさん» オッケーです!私好みになってしまいますが♪多目に投下しますね~☆ (2016年10月29日 23時) (レス) id: a127aff5ea (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 村上くんです。紫さんのお話を読んで『むふっ』ってなりました! (2016年10月29日 23時) (レス) id: c2567f5f2d (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - みゆきさん» お好みは誰でしたしょうか?いつでも教えてくださいねヽ(^○^)ノ (2016年10月29日 3時) (レス) id: a127aff5ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こあ | 作成日時:2016年10月20日 2時