駅前奇想曲【青・∞】

#２９# ページ29

とくん、とくんと、心地よい心臓の音。素直になるってこういうことなのかな。邪念とか、疑う心とか、悲しんでいた自分とかが全部じゃないけど、ほどけていく気がする…



　ぎゅむ〜


　｢うぐぐ、苦しい(笑)｣


安｢ああっ(汗)ごめんついっっ//｣



　なんとか離して貰って横にぺたんと座り直すと、視線がぶつかった。かあっと、血が沸騰する。



安｢……さっき、好きっていうてくれたよね｣


安｢おれも好き。めっちゃ好き。これって、両想いって…思うてエエよね/////？｣



　必死に頷いた。首が取れるんじゃないかってぐらい。私から何か言葉にすることは下手くそでも、伝わればいいなって。



安｢……ん。じゃ、遠慮なく♪｣



　首に回ってきた片腕は簡単に私を引き戻し、半開きの色っぽい唇に捕らえられた。途中で、｢んー、これ邪魔やなぁ〜｣なんて、眼鏡を外されて慌てて目を閉じて。



　章大くんとの２度目のキスは、蕩けるような大人のキスでした。




　｢ん…ふ…息出来ないよ(涙)////｣


安｢覚悟しとき？これから逢うたんびにこれだけじゃ済まへんからな(笑)おれ結構嫉妬深いねんで♪？｣


　「〜〜〜///、何でそんなに余裕なのー？章大くん幾つ！！？？？(。＞д＜)///」


安｢へへへ、今年で31♡｣



　マジか！！！！！歳の差10！？！？み、見えない…せいぜい25くらいだと思ってたのに…(汗)



　固まっている私を尻目に、大あくびをかます章大くん。



安｢ふあぁ、あー、もう限界っ！悪いけど寝るなぁ？あ、バナナありがと♪なな、いっこだけお願い聞いて？｣


　｢ななな、なんですか？お薬ですか？｣



　ばふん！降ってきたのは掛け布団。


安｢ふふ、一緒に寝て？｣


　｢へぇっ/////？！｣


安｢だーいじょうぶ♪何もせえへんよ、……今はね｣



　石黒A、人生初の添い寝。耳元であまーく囁かれて果たして眠れるのか？！？横ですうすう寝息を立てている彼に、これからの事が不安になりつつも、ニヤニヤが止まりません…誰か止めて〜！





安｢うぅ〜ん…Aちゃん……すっきゃで♡｣


　｢えっ、今の寝言(笑)？！｣

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