駅前奇想曲【青・∞】

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んあー……よく寝た。マイデスクによだれの池が出来ていて、げんなり…そっか、寝落ちたか、私。
　時計を見れば、八時半。………って、一限の講義15分前っっ！！！



　中途半端な長さの髪は寝癖で四方八方へ、結局例のアラレちゃんヘア確定。歯磨きもしない、顔も洗わない、服…だけはきちんと着替えて、家を飛び出した。



教授「石黒はいっつもギリギリだなぁ(笑)課題はちゃんとやってんのか？」


　「すいませんっ」ｾﾞｰﾊｰｾﾞｰﾊｰ







琉「石黒さぁん、お昼食べるならコンビニ一緒にどお？」


　学科の自習室で一人音楽を聴いていたら、隣のゼミ生のにぺい(二瓶琉花)がやってきた。一二年は教養科目でちらちら見かけてはいたけど、三年になってここまで仲良くなるとは。だけども私って基本名字でしか呼ばれない。なんでかな？とっつきにくいのかな？


　「いいね、何食べるの？」


琉「お金無いからカップうどんで耐えるっ」


　「わかったよー♪」


琉「それ(笑)アナ雪(笑)すごく今更ー」


　「そ？観てないからさ〜、想像でしかないわ」


琉「ほんっとに……少しは流行りに乗りな？今就活でしんどい時期にさ、励ましてくれる彼氏とかいたら幸せだよ！」



　そう言うにぺいは、顔がいいからという理由だけで、同じ学科の棟で見つけた名前も知らないひとを尾行して調べ上げ、彼氏にまでしたという強者だ。
　くっつくまでに二週間位しかかからなかった。結局、恋愛体質の人は黙ってても良縁に恵まれるんだな。私にはどうでもいいことだね〜






琉「ほんで？どこかにあなたのおめがねにかなう男性はいないのかね。紹介しようか？」



　もぐもぐとうどんを頬張りながら呟くにぺい。そんなこと言ったって、そもそも私なんぞに振り向いてくれる人は居ないって！服のセンスは無いし………
　あ、自分で思って凹んできた(汗)
　せめて出会い！出会いが欲しい。飲み会で一時的に仲良くなったって、本当に好きになれるとは思わないよ。うわべだけ。




　好きって結局どういうことなんだろ。もう、恋に恋する乙女でもない。今日もバイトに向かいながら、電車の中でぐるぐると考えていた。

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