駅前奇想曲【青・∞】

#１７# ページ17

｢のわあぁあ！！｣


安｢シーっ、勤務中やろ(笑)お化けちゃうねんから、お店にも来るよ｣


　お金を受け取って、思い出した。今日はお昼に来るって言ってたんだっけ///


安｢ほら、頭直しや？それはそれで可愛えけどな｣ ｽｯ


　｢/////！！｣




　長いとは言えない章大くんの指が、私の髪をするりと抜けていく。て、手ぐし…！なんてイケメン対応なんだ…！



　｢あ、あの…そういうことすると、勘違いされちゃいますから、やめたほうがいいですよ…//｣




安｢…………勘違い、してみる？｣


　｢へ？｣


安｢僕はええよ。たぶんそれ、勘違いちゃうから(ニコッ)。ほなね♪｣



　爽やかな笑顔を残して、章大くんは行ってしまった。勘違い…じゃない？それってどういうこと？？
　私社交辞令で、えーっと、女の子の髪をとかすようなことをすると、その子に好意があると勘違い…されちゃいますよって…



　つまり………。章大くんは私のことを…




　その日、さらに頭をバクハツさせて！５時まで脱け殻になった私がいた。うそうそ、あり得ない。そんな都合良く、人生回らないよ。きっと冗談なんだ。……そう考えないと、帰り道すらも分からなくなりそうだった。





　次の日、ばかでかい封筒が宅急便で届いた。中身は立派なファイル。ぺらりとめくれば、職業名がずらりとランキングされていた。これって…適職診断テストの結果だ。




一位─────俳優・女優



　ぶっ！！



　飲んでいた紅茶を派手に吹き出した。確かに興味はあるけれど！好きこそものの上手なれとでも言いたいの？！
　だけど細かく、私の性格や趣味嗜好をグラフにした分析結果も載っていて、……最初は驚いたけど、その後のランキングにおかしなところは何もなかった。



　そして、この一つのファイルが今後の私の人生を左右してしまったのだ。実際。





　♪〜


　｢いらっしゃいませ〜……///！！！｣ ｶﾞﾀｺﾞﾄｶﾞﾀﾝｯ!!!


安｢ちょ、Aちゃん大丈夫なん(笑)？｣


　｢す、すみません…｣



　次の日、夕方からのバイトに出ていた私は踏み台に乗ってちょっと高いところにPOPを貼っていた。そこに章大くんが来店したものだから、足元がぐらついて派手に落ちてしまった。



　くっ、目を合わせられない…………！！！

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