仕事 ページ9
「今日はありがとうございました」
男「あぁ…もう時間かぁ…」
私のバイト先はカフェバー
カフェバーだけなら聞こえはいいが
立派な違法店である
男「残念だなぁ…
もっと一緒にいたかったのに…
じゃ〜これ今日の分ね、ありがとう」
封筒を受け取り、男と別れ繁華街の街を一人で歩く
少し古びた雑居ビル、そこにお店はある
ドアを開けると、一気に賑やかな空間広がった
カラオケを熱唱する客もいれば…
ドアを開けた事によって女の子と夢中で
話していた客は誰？と言った表情で
チラチラと見てくる
店「おーお疲れ」
「お疲れ様です、これコース代金です」
店「はいよ、いつもありがとね」
「……………………………」
店「はい、じゃあ今日の給料」
「ありがとうございます」
給料を受け取り店を出る
「ふぅ……」
表向きはカフェバー
カフェで客が気に入った女の子がいれば
その子と外でデートが出来る
お散歩コースなんてくだらない名前がついてるが
その方が短時間で稼げる
学費や生活費は全て自分でなんとかしなきゃいけない
兄が残してくれた財産は使いたくなかった
いつ摘発されるかも分からないお店だけど
それはどうだっていい
ただその辺で声を掛けられて
適当に始めたバイトだから
摘発されたらされたで
普通にアルバイトを始めればいいだけ
そんな軽い考えだったから
私は危険だなんて思いもしてなかった
後ろから後をつけられてるなって感じたのは
最寄りの駅についてからの事
________________________
____________
もしかしてさっきの客…？
家がバレるのは絶対避けたい
少し、小走りで走ってみた
タタタッ
タタタッ
案の定足音が響き
付けてくる人も走ってるのが分かる
どうしよう
怖い
昨日に続いて私運無さすぎる
なんでこんな怖い思いしないといけないの
でもこういうのって割と…
昨日見た怪物より怖いかも
後ろから荒い息遣いが近づき
後ろから口を押さえられた
もう終わったと思った
「ム・・ムムムカガガエェェニィイイキギ・・・タ・・ヨ・・・」
「ﾋｨｲｲｯ!!!!」
押さえられた口は即解放されたが
付けてきてた男は悲鳴をあげて尻餅をついていた
「ば、化け物ダァ！化け物だあ！！」
「イ・イモ・・・トニ・・テヲ・・ダスナァァアアア！」
あれ？
既視感
この声……昨日も……
ハッとして後ろを振り返ると
昨日の夜、墓地に現れた怪物がいた
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作者名：はなり | 作成日時：2021年2月26日 12時
