迎え ページ47
警「ほら、こっちへ来なさい
それ制服でしょ？まだ学生だよね？
お父さんとお母さんは？」
面倒臭い
今の私には、何も答える気にはなれなかった
ずっと黙っていると
パトカーに乗せられて署まで連れてかれることになってしまった
あぁ…帰らないから…先生怒ってるかな…
警察署まで着くと肩にブランケットを羽織らされ
そんな私をみてヒソヒソと会話を始めた
「質問しても黙ったままで何も答えないんですよ…」
「まあ、あの時間にあんな所にいりゃ訳ありだな」
ただボーッと椅子に座っていると
女の警察が来て、ポケットを調べさせてもらうといい身体に触れてきた
取り上げられたのは
携帯、学生証、煙草、ライター
警察は学生証をじっくりと見るとどこかへ電話をかけた
そして暫く経ち
五「A！！！」
先生の焦った声が耳に響いた
警「あの、どういった用で？」
五「生徒がいるって連絡受けて来たんだけど」
警「あぁ…あの子ですね…
保護者の方ですか？」
先生の声がしても
顔を見向きもせずにただただボーッと一点を見つめ続けた
五「いや、あの子の担任なんだけど…
身寄りがないのでこのまま僕が引き取りに来ました」
「分かりました…
ではこちらにサインだけお願いします…
それから…彼女の荷物からこれが…」
五「わかりました…預かっておきます」
五「行くよ、A」
名前呼ばれ、ゆっくりと椅子から立ち上がる
「…………………………………」
警察署を出ると気まずいくらいの沈黙が続いた
お互い無言のまま歩き、時間が過ぎていく
そして先に沈黙を破ったのは私…
「先生………」
五「何？」
何？ いつものおちゃらけたテンションではない
______低い声
もう、言おう
私が何聞いたって、先生はどうせ濁すだろう
だったらもう
自分から言ってしまおう
「私…呪術師になるの辞める」
五「………………………は？」
「……お兄ちゃん…本当は…
______処刑されたんでしょ？」
そう聞くと
五条先生のサングラスの奥にある瞳がドクンと動いた
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作者名：はなり | 作成日時：2021年2月26日 12時
