謎の男 ページ41
「……………………………」
花「ま、まあまあ…
Aって元々そういう子じゃん」
ま「花香は何も思わないの？
見舞いに行くとか言って結局来なかったんだよ」
「ごめん、それは色々あって…」
ま「色々あるならあるでちょっとくらい話してくれてもいいじゃん、友達じゃないの？うちら」
話したい
話したいけど…
こんな嘘みたいな話
信じてもらえるわけがないし
2人をコッチの世界に巻き込みたくない
私は…
友達だから…
唯一の友達だと思ってるから…
巻き込みたくないだけなのに…
結局私は何もいえずに逃げることしかできない
「ごめん、もう行く」
花「あっちょ…っA？！」
テーブルに1万だけを置いて店を出た
ま「…………怒ってるかな」
花「…まあバタバタしてるって言ってたし
色々あるんじゃない？」
ま「…うち、酷いこと言ったかな」
花「んー…アンタは友達なら話してほしい
逆にAは友達だからこそ言いづらい事でもあるんじゃない？
友達なんだからそういうぶつかりくらいあんでしょ
ていうかあいつ1万置いてったよ！
お釣り来るしこれでデザート食おうぜ！」
ま「いや返せよ」
_______________________________
こんな気持ちで帰る筈じゃなかったんだけどな
まだそこまで暗くなく、時間はある為
高専まで1人ボチボチ橋の歩道を歩いていた
すぐ横は車道で何台もの車が行き交っている
そして反対側には
まだ少し明るいもののキラキラと光る建物達
綺麗だなぁ
2人はこの世界でごく普通の生活をしてる
私もついこの間までそうだった
私も何も知らなかったら
2人のように今も笑ってたんだろうか
呪いなんて…呪術界の事なんか知らずに…
お兄ちゃんもただの事故で死んだと思っていたら……
「やぁ、1人かい？」
立ち止まり、夕景を眺めながら考え事をしていると
突然後ろから響いた、知らない男の声
振り返ると、不思議な格好をしている男が立っていた
「………………………………」
「雨夜A」
え…何で…私の名前…知ってるの？
「突然すまないねぇ
私の家族が君に世話になったようで…
お礼が言いたくてね」
家族……？
あ…もしかして…あの双子の女の子…家族…？
LINE交換したけど………何で居場所が……？
「えっと…その…お礼を言われるような事は…」
「謙遜しなくていい
おや、自己紹介がまだだったね
_________私は夏油傑
______呪術師だ」
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作者名：はなり | 作成日時：2021年2月26日 12時
