夢と現実 ページ34
「………………ッ」
自分の身体を抱き締めるように疼くまるが
震えが止まらない
身体中汗をかいていて
今の夢がどれほどリアルだったか実感させられる
時刻 02:00
いやな時間に起きてしまった
「……ゲホッ…喉からから…」
中途半端な時間だけど…もう寝れる気がしない
一旦目を覚しに顔を洗いに行こう
そう決めて部屋を出て共通の洗面台へ向かう
鏡に映った自分の顔を見ればそれはもう…
「顔色悪…」
バシャバシャと顔を洗い少し目が覚めた所で
再び、鏡に映る自分の顔を見た
無意識にお兄ちゃんの顔と重ねてしまう
私、お兄ちゃんに似てきたな
生きてたら今どんな顔なんだろう
何だか無性に恋しい
………ん？
お兄ちゃん…
そういえば…さっきの夢で聞いた声…
お兄ちゃんに似てた気がする…
まあ、夢なんだけど…
ふと鏡に映る首元の違和感に首を近づけて見れば少し切れていて血が滲んでいた
こんなとこ怪我したっけ…？
『腕どうしたの』
さっき五条先生に指摘された腕を思い出し
なんとなく確認してみる
「何…これ…」
明らかに腕は指摘された時より悪化していた
皮はすりむけ怪我したてのように血が滲んでいる
そして思いあたるのはさっきの夢
いや…でも夢だし……
夢………だよね………？
そんな事を考えながら共同スペースまで歩く
『夢魂操術』
『簡単に言うと夢を操れるって事』
『想像した夢を見せる事も可能』
この間教えてもらったお兄ちゃんの術式
まさか…ね…
______嫌だ…ッ妹が待ってる…！！！
でも、お兄ちゃんにそっくりなんだよね
「…………………いや、ただの夢……
……のはず」
『大体の奴は夢魂操術を喰らうと混乱する』
ボフンッ
共同スペースのソファに腰を下ろす
そして冷蔵庫にあった水でカラカラだった喉を潤わせた
さっきの夢…
現実には身に覚えのない傷
だけど夢の中では心当たりがある…
そんなこと…ある…？
深夜2時過ぎ
1人共有スペースで不安になってる中
懐かしい心地いい匂いが鼻を掠めた
その匂いを辿って歩いていくと
山を一望出来るくらいのとても広い
バルコニーの様な場所へ辿り着いた
山の奥にはキラキラ光る夜景が見える
高専にこんな所あったんだ……綺麗…
「何してる…？
とっくに消灯の時間過ぎてるだろう」
ボーッと夜景を眺めていると
突然誰かに声をかけられてしまった
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作者名：はなり | 作成日時：2021年2月26日 12時
