【呪術廻戦】彼女が闇堕ちする前に【五条悟】 (ページ14)

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煙草の代わりにページ14

五条side

翌日、引っ越しの手伝いにAの家まで来た

元々そんなに部屋に置いてなかったからか

すぐに部屋は綺麗に空っぽとなった

伊地知が来るまで少し時間あるな～

少しでも親睦を深めようと声をかけようとした時

ふと床に置かれたショルダーバックからはみ出た

機器に目が入った

五「これ何？」

「……………モバ充です」

何、今の間…絶対嘘だろ

五「ふーん、どうやって使うの？」

「………………………」

Aが質問に答えない為

適当に弄っていると蓋のような物が開いた

あれ、これ前に見た事あるな

硝子も持ってた気がする

思い出した！加熱式たばこか

'兄妹揃って'未成年喫煙者かよ

これは教師として一つ叱るべきか

五「僕、よく適当とか言われるけどさ

これはちょっと頂けないかな～」

「あ………捨てます」

分かりやすいなぁこの子、間が多い

バレちゃったぁ……って感じ？

五「これは僕が預かってま～す」

そう言うとAは若干眉を下げた

五「何で煙草なんか吸うのー？」

「…分からないです

ただその時間が心地いいだけです」

Aの顔は涙は流さないものの

その瞳は濡れていて憂を帯びた顔をしていた

まだ色々と納得出来てないんだろうな

ただ折角できた生徒、それも暖の妹だ

どうせなら僕も明るく授業をしたい

少しでも笑顔になってほしい

五「煙草よりいいもの教えてあげるよ

おいで」

「え…でも荷物…」

五「全部伊地知っていう補助監督に
任せてあるから心配なーし」

「…分かりました」

そう言って向かった先はケーキ屋さん

五「甘いもの、好き？」

「…大好きです」

ガラスケースに並んだケーキを
キラキラした瞳で眺める顔はさっきとは大違い

ただ、そこに笑顔はない

五「好きなの選んで」

「…ガトーショコラが食べたいです」

五「チョコ派？僕はショートケーキ派かな～」

ショートケーキ

そう言えば彼女の瞳は一瞬揺らいだ

「…美味しいですよね」

レジで会計をするとAがトレーに
お金を置こうとした為その手を掴んだ

五「いいって」

「あ…自分の分は払いますよ」

五「君は黙って待ってればいーの

煙草の代わりね」

「…ありがとうございます」

五「僕のいないとこで

こっそり吸ったりしないよね？」

「……………………………」

五「いや、なんか答えてくれる？」

「ケーキありがとうございます」

五「あ、うん

…じゃなくて！」

人見知りの君が打ち解けてくれる日は

いつになるのやら