《第一志望》の合格率 ( 黄 ) (ページ1)

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中学2年の冬

桜の蕾がつき始めた頃

《青春》への

長い、辛い道が

姿をあらわす…

．

．

「今日から塾だ…」

「割と楽しいと思うよ？」

親友の渡辺が励ましてくれるけど

乗り気になれない

今日から私は

【受験】への道を歩んでいきます

…歩みたくは無いんだけれども

「ほら、友達できるかもじゃん」

「個別授業だし」

「…ま、頑張れっ」

ついに心の友からも見放されました

．

．

数学の授業中、窓辺の特等席

先生の話をBGMにして、外を見る

外では3年生が寒いと叫びながら、授業でサッカーをしている

都立入試が昨日終わって

みんなやっと解放されたと言わんばかりのはしゃぎ様

次は私たちの番か

「お前の番やぞ」

「っえ？」

「ほら」

隣の横山くんに心を読まれた

って思ったら違って

黒板に回答を書く番が回ってきた

「やっば、何にも解いてない。ちょっと見せて」

「俺がやっとると思うか？」

思いません

仕方なく、その問題だけ解いて前に書きに行く

戻ってくると

「さっき何考えてたん？」

横山くんに質問された

「もう受験生になるんだなって」

「確かにそうやな、俺はスポ薦のつもりやけど」

ずるい

学力もスポーツも平均な私には

推薦とか夢のまた夢

「こんな時に励ましてくれる彼氏でも居たらな…」

「前、見てみ」

私の儚い願いも無視されて

ゆっくり前を見てみると

「これはちょっと惜しいな。ここはプラスじゃなくてマイナスだ」

って私の回答が丁寧に直された