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三十話_芥川君_ ページ31








「と云う訳で!A、君には私が出払っている間の芥川君の訓練と情操教育を頼みたい!

拒否権は無いよ」



また唐突に……。

白い目で太宰君を見つめるが当の本人は何処吹く風だ。

一寸(ちょっと)説明が足りないよ。


……あと、"芥川"って()の芥川龍之介を指しているのだろうか。
これまた有名人が出て来たぞ。



「彼を拾った事は前々から話していただろう?そういう事だ」

「嗚呼……うん……そっか」




これ何云っても無駄なやつだな。


私はこの半年で太宰君の事を幾らか理解していた。
 


彼からはつい一昨日…少年を拾った、異能力が使えそう、訓練をしている。とまぁ、軽く話は聞いていた。



「……あー、芥川君。私は瀬城A。

其処の太宰君の部下的な友人的な若しかしたら秘書的な存在。基本的に戦闘が主だけど…

…まぁ書類仕事もちらほら来るかな。取り敢えず宜しくね。」

「一寸、名雪は友人"的な"じゃなくて"友人"でしょ!」

「はいはい友人友人。」



プクーっと頬を膨らませ不満を体現し反論してくる太宰君の貌は今日も素晴らしい。

軽く流したが、彼の口から"友人"という言葉が聞けて嬉しくも思った。


云わないけど。調子乗るから。





太宰君をあしらい、隣の彼を見遣る。

衣服の隙間から覗く手足は細く、確り栄養を採れていなかったことが判る。其れに少し顔色が悪い。

これは早急な対策が必要かもしれない。




「……ま、私も案外暇だからその位なら。一応将来は教師やる予定だったし、丁度良いか」

「え?教師?この仕事してて?」

「上がもう闇だから。あと私の本業呪術師だから」



深海の様な真っ黒な眸を向けられ内心苦笑を零す。

教師になる、というのは勿論呪術高専のだ。

今更呪術師を辞めようとは思わないし、一人でも多くの呪術師に死んで欲しくないという私の願いを叶えるにはピッタリなのだ。

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よんこいち(プロフ) - らなさん» コメントありがとうございます!お褒めの言葉励みになります…載せて良かった…本日も更新致しますのでどうそ宜しくお願いします〜! (6月1日 18時) (レス) id: f9c9e5d141 (このIDを非表示/違反報告)
らな - コメント失礼します…!!文ストと呪術のクロスオーバー大好きなのでめちゃくちゃ読んでいて楽しいです!!内容もしっかりしてて本当にすごいです…!更新楽しみにしてます!頑張って下さい!! (6月1日 17時) (レス) @page17 id: e0fbbf9247 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よんこいち | 作成日時:2023年5月29日 21時

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