二十九話 ページ30
・
「というか、そっちとこっちの世界って何が違うの?その辺り全然聞いてないんだけど」
「あれ、そこは伝わってないんですか……まぁ、取り敢えず軽く説明させて頂きますね」
かくかくしかじか。
最初に首領に説明した時と同じように話す。
福沢さんは呪霊による被害総数に眉を顰め、反対に江戸川さんは未知の世界に興味津々。
全く違う反応が面白い。
「へぇ〜、面白い世界があるものだねぇ、僕は厭だけど」
「……瀬城君は、マフィアにいて辛くはないのか?
聞けば、呪術師というのは人を守る為の人々だろう。
…云いたくないのならそれで構わない」
江戸川さん隠すこと識らないな…直球すぎて笑える。
そして福沢さんの気遣いが身に染みる。ありがとうございます。
「辛くはありませんね。
……尤も、善良な一般市民を殺す…等の任務ならば私の精神は危なかったと思いますが。
先程も云った通り、私は悪事を働く者にはそれなりの罰が必要だと思ってます。
ですのでそんな人々を殺す事に躊躇はありません。
あと江戸川さんは其の儘で良いと思います。
殉職率が莫迦になりませんし、呪霊って滅茶苦茶気分を害す見た目してますし。」
久しく見ていない呪霊の姿を思い浮かべ乍ら云う。全体的に呪霊は気持ち悪いのが多いからなぁ。
「うぇ〜…。今此の世界に生まれて良かったって実感したよ。
あと"さん"は要らないし名前でいい。」
「……では、江戸川君で。」
「…苗字が引っかかるけど……まぁ及第点かな。敬語も外して。」
「じゃ遠慮なくー。」
早速敬語と呼び方を改め、会話を弾ませる。
彼はこういった堅苦しいのはお嫌いな模様である。
「今度会った時はまた話聞かせてよ。君の世界は僕の識らない事だらけで面白いからね!」
「同盟は結んでいるが、一応立場は敵対関係にある。…だが、瀬城君は信用出来る。
街で見かける程度の事があれば相手してやって呉れると有難い。これから何卒、宜しく頼む。」
「えぇ、こちらこそ。それでは
ヒラヒラと手を振る江戸川君に、会釈をする福沢さん。
私は其れに対して福沢さんと同じく会釈を返す。
____…此の日を境に、ヨコハマを観光する時は何故か、何時も江戸川君と福沢さんに会う事となった。
なんでだ。嬉しいから良いけれども。
227人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よんこいち(プロフ) - らなさん» コメントありがとうございます!お褒めの言葉励みになります…載せて良かった…本日も更新致しますのでどうそ宜しくお願いします〜! (6月1日 18時) (レス) id: f9c9e5d141 (このIDを非表示/違反報告)
らな - コメント失礼します…!!文ストと呪術のクロスオーバー大好きなのでめちゃくちゃ読んでいて楽しいです!!内容もしっかりしてて本当にすごいです…!更新楽しみにしてます!頑張って下さい!! (6月1日 17時) (レス) @page17 id: e0fbbf9247 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よんこいち | 作成日時:2023年5月29日 21時