(( 塩麹より、向井康二っ!! ))

向井康二 ページ1

パシャッパシャパシャっ






「おー、ええのんが撮れたわ。 さすが俺。 ていうか、やっぱ新しいカメラええなぁ。」


独り言を繰り返し、ずーっとカメラと喋ってるのは



うちの彼氏。 向井康二。


康二は、たまぁにとってくれるだけでうちの写真はいっこも取ってくれへん。



「これは柊真の。んでこれが、ママのんや。おーええやん。」



けど、うちはそれでもいいわと半ばあきらめ気味で撮影についてきてる。


けど、今まで康二に写真をもらった事は一回もない。


他の人にはあげんのにな…




まぁ、一緒におれる趣味なだけまだまっしか


「なぁ康二〜？」


「ん？ なんやA。寒なったんか？マフラーちゃんとまいとけよ。」


「ぅん…ちゃんとまいてるよ。ええのん撮れた？」

「ぉん。撮れたよ。 Aのおかげやわ。せや、次誰か誕生日あったっけ…」


朝の５時半。



日曜日のこの時間は大体の人がきっとまだ寝てるんやろうけど



うちは、それでもええと思ってる。



ひとしきり取った康二が、急にうちに近寄ってきた。


「よかったな。ええのん撮れて。うちもうれしーねん。」


「うん。Aの喜ぶ顔見たいからな。俺はええ写真とんねん。」


そう言って、自分の着ている上着をそっと家にかけた。



「えっ、あ、康二。康二も寒いやろ？ 自分もきとかんな。 ほら、それに仕事もあるやろ!?」


「ええって。俺をなめるな。今何時?向井康二やで!!? そんなんで風邪ひかへん。」



そう言って、へっくしゅんとくしゃみをした。

塩麹…(笑)→

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