111話 朝ご飯※虐待表現注意 ページ36
琴音「……ん」パチッ
少し肌寒い感覚で目が覚めた
目を開くと知らない部屋
琴音「……あ」
段々頭が冴えてくる
琴音「……俺」ギュッ
契約したのだ……彼と……
ガチャ
琴音「……ッ!!?」ビクッ!!
スティンガー「あっ、起きた?ならご飯にしよっか♪」
琴音「……」ジッ
スティンガー「〜♪」フンフン
妙に機嫌の良い従兄、彼こそがあの契約を提示した張本人……
ガチャ
リョウ「……」
琴音「……おはよう、リョウ」
リョウ「……」フイッ
俺の弟のリョウ、喋らないのか喋れないのかは分からないが……彼に虐待を受けている様子は無いのでまだ安心だ
スティンガー「はい、君のご飯♪」コトリ
置かれた食事
浅い皿に入った……茶色の粒
彼の手には『安心安全!!健康ドックフード』の文字と犬のイラストが書かれた袋
スティンガー「食べなくても良いよ♪ただ、これしか食べれないでしょ?だって君犬だもん♪」
食べたくない……
ただ、食べなければ食事は『無し』と言う事になる
琴音(食べなければ死ぬ……か……)ノソノソ
痛む身体に鞭を打ちドックフードに手を伸ばす
繋がれた手枷が邪魔だ
スティンガー「ダメダメ、ちゃんと口で食べなきゃ♪犬は手なんか使わないデショ?」
終始笑顔で言い切る白髪の狂人
仕方なく俺は手を使うのを諦め犬の様に食事をする
カリカリとした食感と何とも言えない妙な味が口に広がり吐き出しそうになるが耐えた
横を見ればリョウは普通の『人』の食事をしている事に安心する
琴音(……アイツは大丈夫か)
俺は大人しくドックフードを食べきった
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作者名:タンゴ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2017年1月12日 12時