君が好き (ページ6)

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二人の秘密。ss ページ6

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私の好きな人は、

世間でいう禁断の恋の相手。

「せーんせ！！！」

『…Aか、またサボり？』

保健室の先生の、勝利先生。

先生が転勤してきたときから、私の一目惚れは始まって

それからはもう、毎日と言っていいほど保健室通い。

「だって眠いんだもん」

先生の前を横切って、

ソファーにダイブ。

『そんなことばっかしてるから、化学の成績4から3になったんでしょ』

「げっ、なんでそれを」

現役女子高生真っ只中、勉強より恋愛にうつつを抜かすのは許してほしい。

今だって、椅子に座って足を組んでパソコンをいじる先生の後ろ姿は

世界一カッコいい。

「てか、先生なんで私の成績知ってるの…」

いくら教師とはいえ、一個人の成績を閲覧できるのか？

学年主任とかならまだしも、勝利先生は保健室の先生だし。

『Aの担任、松島先生でしょ？』

「うん、そうだけど…」

『松島先生に頼んで教えてもらった』

え？

いやいや、なんで松島先生に聞くの！？

そして教えちゃう松島先生も、なにしてんの！？

「私の成績知ってどうするんですか！売るつもりですか！」

『売りはしないけど……、ダシには使うかな？』

は…？

ダシに使う？なんの？

「ダシってそんな、なにと私の成績を引き換えに…」

私が首をかしげて、なんで？と呟くと、

ローラーの椅子で、私のほうをくるっと向いて

そのまま滑るように近寄ってくる先生。

真正面から見る白衣姿の先生も、

ああ、イケメン

と、見惚れていると

とん、とソファーに座る私の横に

先生の腕。

ソファーのほうが先生の座っている椅子より座高が低く

ちょうど先生に見下ろされている感じで、しかも壁…じゃなくてソファードン…

『…それはね』

リップ音とともに、視界が暗くなる。

そしてまた、リップ音を立てて明るくなる視界。

『……このキスのため』

″Aの成績も黙っておくから″

″このキスも、秘密ね？″

× 先生な君が好き。

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