フレンドリーなツンデレくん。fk ページ2
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周りを見渡せば山と川。
バーベキューなんて何年ぶりだろうか。
大学のサークル仲間に誘われて、
インドア派な私はあまり乗り気ではなかったけれど
″彼″も来ると知って、珍しく参加した。
『菊池くん!これ私やっとくよ!』
「あ、え、いいの?大丈夫?」
『うん!野菜切るくらいしかやることないし(笑)』
同じサークルで、同い年の、菊池風磨くん。
一見チャラそうに見えるし怖い感じだけど、
誰よりも優しくて、かっこよくて、それに
「じゃあ、終わったら言って!俺運ぶからさ!………あ、中島!お前なにサボってんだよ!」
菊池くんはすごい、フレンドリーなんだ。
友達も何人いるの!?っていうくらい多いし
先輩からも気に入られてて、
もちろん、世の女が放っておくはずもなく。
今だって、菊池くんと仲の良い中島くんと2人でいるところには
女子の大群。
でも、私はそんな輪の中には入れないから
『さ、切ろう切ろう』
遠くから菊池くんを見つめるだけでいいんだ。
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『あ…さっきまでいたのに…』
大量の野菜を切り終わったので
菊池くんに声をかけようと思ったら
さっきの女子の大群も中島くんもそして菊池くんも
どこにもいない。
仕方ない、テントのところまで少し距離があるけど
このくらい…大丈夫だよね?
『よいしょっ』
私は重たい野菜の入った籠を抱えて
テントの方へ歩く。
普通の道ならなんてことないんだけど、
砂利道はどうも歩きにくい。
ゆっくり歩きながらも、
右足を前に出そうとしたとき
視界がぐらっと揺れた。
バンッという、大きな音ともに
目の前には、散らばっている野菜。
…やっちゃった。
拾って、洗い直さないと。
『……いっ!』
野菜を拾おうと、ついているお尻を持ち上げようとすると
右の足首に激痛。
やっちゃったのは、野菜だけじゃないらしい。
生憎テントにも周りにもみんないないし、
川で遊んでる人たちに私の声は届かない。
…どうしよ、早くしないとみんなお腹空いてるのに
もう一度、立とうとすると
やっぱり走る激痛。
『だれ…か…っ』
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作者名:ばなな | 作成日時:2015年9月26日 17時