再会 【神谷健太】

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｢それでいいの｣


突き放した俺に返ってきた言葉は想像と違って、
優しいAの、でもいつもの優しさと違くて...


｢わたし、健太くんに涙拭いて貰いたい訳じゃない
わたしのために夢叶えて貰いたいんじゃない｣


｢健太くんだから、全部全部...好きなんだよ？
強くて、わたしを守ってくれる健太くんも
かっこよくて、大好きだけど、...違う｣


｢そうじゃない...もっと、頼って欲しい
辛い時はわたしだって力になりたい、
きっと頼りないけど、健太くんのこと
こんなに大事で、こんなに大好きなの
だから、だからっ...｣



『...Aっ』



間違ってた。
俺が強くいなきゃ、守らなきゃって
ずっとそう思ってた


いつもそう思ってたから、Aに弱音を吐くことは
カッコ悪いって思ってた...、

でも違ったね、もっと頼って良かったんだ
もっとAに辛いって泣きついても良かったんだ
今日何もしたくないんだ〜ってだらしないとこ
見せちゃっても良かったんだ...




俺の目の前で、溢れる涙を自分で拭って
きゅっと口を結んで、真っ直ぐに俺を見るAは
想像していたより、強かった




『A、ごめん、俺なにも...』


たまらなくなって、Aを抱きしめる


｢わたし、泣き虫だし弱いし、
何も言ってあげられないかもだけど、頼って...？｣


Aの腕が俺の背中に回り、
俺の服をぎゅっと強く握りしめた





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