再会 【神谷健太】

. ページ21

.




オーディション会場に着くと
また感じたことない緊張が襲ってくる
38人まで絞られたのか...やばい、


二次審査会場にいたやつらは
一次でもやっぱり目立ってて、
うわ、すげぇなって思ってたやつばっかり


EXPG生で顔見知りも何人かいて
また闘争心に燃えた




健太！瑠唯！と声をかけられ、振り向く


｢絶対いると思った、お前ら
やったろな！」


『陣さんこそ』


前、沖縄からひとり来た俺を輪の中に入れて
何かと話しかけてくれた陣さん


大阪のテンションで、最初はビビったけど、
めちゃくちゃいい人で、仲良くしてもらった


俺と瑠唯とハイタッチを交わして
誰よりも早くアップを始めてる


着替えが終わり、Aが貸してくれたマフラーを
ぎゅっと抱きしめたら、
Aのこと抱きしめてるみたいで
胸がぎゅうっとなる




スタッフさんに呼ばれると
もうあとは出しきるしかない...



EXILEのメンバーにも見られる中、課題曲をやる
偶然にも同じグループが瑠唯で
緊張も少しほぐれた


待機していると、急遽選ばれたメンバーだけの
フリースタイルダンスをやることが発表され、
選ばれた俺は必死にやった




あれだけ、自分がやりたいことだけやって
自分のことだけを考えてた時の俺とは違う

Aがいてくれたから、俺は変われた
Aが応援してくれたから、ここまでこれた
今まで挫けず、夢に向かって近づく勇気を貰った





オーディションが終わり、Aの元へ帰る
やっぱりその存在を見たら安心して
俺を見つけたときの、笑顔に心がきゅんっとして
健太くんっ！って駆け寄って来てくれた
彼女を抱きしめる



｢健太くん、お疲れ様っ」


『ん〜〜っ...』


｢どうしたの？」


『Aがかわいくて...』


｢なんだそれ」


そう言って笑う彼女がほんとうに愛おしい





.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す