【木ノ瀬梓】ふりむいて木ノ瀬【Starry☆Sky】 (ページ3)

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ストーリー 2 ページ3

その瞬間、誰かが弓道場に入ってきた。

忘れ物でも取りに来たのかな？

弓を構えながら、
横目で扉の方を見た。

？？「.....」

＿＿＿＿＿.........

集中力が途切れたせいか、
私の矢は的を外れた。

？？「.....」

夜久「？」

中学生かな？

見慣れない制服を着た男の子が1人
道場の入り口に立っていた。

夜久「あの.....もしかして、学校見学？
道に迷っちゃった？うち、結構広いから」

？？「.....弓に光がない」

夜久「えっ.....？」

？？「.....的を貫く青白い閃光、
それが見えない」

夜久「あ、あの.....弓道経験者なの？」

？？「.....すいません。
余計なこと言ってしまいましたね。
学科説明会の会場、知ってます？」

夜久「えっと、確か.....体育館だと思う。
ここを出て、渡り廊下をまっすぐ進むとあるよ」

？？「ありがとうございます。
失礼します」

夜久「ちょ、ちょっと待って！」

？？「なんですか？」

夜久「弓に光がないって、どういうこと？」

？？「ふっ.....僕、生意気言いましたね。
忘れて下さい」

夜久「待って！どういうことか知りたいの」

？？「.....もちろん目に見える光じゃないです。
何と言うか.....心の光、そんな感じです」

夜久「.........」

？？「がんばって下さい。
それじゃ、僕は失礼します」

夜久「あっ.....」

不思議な男の子.....。
一目で私の弓を見抜くなんて.....。

私は目を閉じて精神を集中させる。

？？「まずはイメージすることだ

胸の真ん中に神経を集中させて、
まっすぐ的を射ぬく光をイメージする」

？？「光の筋を思い描いて、
その筋に沿って、矢を放つ

心の光を解き放つイメージ、かな？」

弓に光がない。

それはあの2人に何度も指摘されていた。

それだけに、
一発で私の弱点を見抜いた彼の言葉が、
私の胸にぐさりと突き刺さった。

？？「.....弓に光がない」

夜久「光.........」

彼の一言で、私の中で何かが解き放たれた。

悔しさや焦り、不安や迷い、色んな気持ちが.....

＿＿＿＿＿＿＿.......パン！

青白い閃光と共に、解き放たれた＿＿。