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結局俺は何も答えることができなくて
智くんはにこにこ笑うんだ
なんで笑ってるの？智くん
その笑顔は、なんでなの？
「んふふ、しょうくん。すき、大好き」
ねぇ、もうやめてよ
俺の心臓はクタクタだよ
「しょうくん」
智くんお願い、もうそれ以上言わないで
我慢できなくなっちゃうから
戻れなくなってしまうから
「…俺の事好きって言えよ」
「っ…」
心臓が飛び跳ねた
智くんの、真剣な眼差し
低い声
「好き」
そう言えたらどんなに楽なんだろう
このまま智くんといれればどんなに幸せだろう
5年分の募りに募ったこの思い
智くんと両思いだとわかっているのに
あとは俺が、すきだよ。 そう言えば済むはずなのに
ごめんね智くん、俺は言えそうにないよ
だって、例え思いが通じ合っていても
男同士の恋なんて世間では否定されるに決まってる
好きなもの同士が一緒にいたって幸せになれない事だってあるんだ
子供も産めないし、結婚もできない
なにより、智くんは今巷で有名な画家で
未来がある
そんな彼の人生を、俺が壊しちゃいけない。
「Aちゃんがいるから？」
す、と
優しい智くんの声じゃなくて、ちょっと冷たい声に切り替わる
「だから翔くん、俺の事好きって言ってくれないの？」
違う
そう否定しようにも口が動いてくれない
だって、それは事実だから
Aは好きだよ
あんなにいい人、この先きっと出会えないと思う
でも俺は約束したから
絶対に幸せにするって
俺の気持ちを封じ込めてでも彼女を幸せにすると約束したんだ
「……男だからとか、そんなの関係なく俺は翔くんが好き。だからさ、翔くん」
彼の口角がにやりと上がる
悪い笑み、
「Aちゃんと正々堂々勝負する」
舌ったらずなのに、こういう時はちゃんと言えるんだもん
普段との彼のギャップに俺の心臓はドキドキ音をたてるばかり
「もしそれで勝ったら、しょうくんおれの事好きって言ってね？」
んふふ、っていつもの笑みに戻った智くん
ああ、俺は…どうしたらいい？
Aも、智くんも、どっちも大事なんだ
だから俺は弱虫で卑怯者
楽な方ばっかり逃げて前に進めない
「しょうくんすきっ」
うん…、俺もね…
好きなんだ…
二人とも、大切な人なの……
いっその事、二人から嫌われてしまえばいいのにな。
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えりな - 彼女がとても嫌な女なら『さっさと別れろ！！』って思うけど、めっちゃ良い人だからこのまま彼女と幸せになってほしいなって思ってしまう。彼女めっちゃ健気でなんか翔くんに対してイライラしてしまうわ。(翔担だけど) (2016年11月8日 14時) (
レス) id: 5b5b5a3f48 (このIDを非表示/違反報告)
りんね(プロフ) - 綾猫さん» 綾猫さん、ありがとうございます！ (2015年7月17日 20時) (レス) id: b8faa09a0f (このIDを非表示/違反報告)
綾猫 - とても面白いです。頑張って続き書いてください (2015年7月12日 6時) (レス) id: 2c56ff5eff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんね
| 作成日時：2015年6月11日 20時
