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それから何話したかあんまり覚えてない
頭の中を支配するのは智くんの言葉だけで
本当なのか、とか、信じていいのか、とか
でもあれが本当だとして、俺はどうするつもりなの？
智くんのところへ、いくの？
Aはどうするの？
そんなことばっかり考えてたら閉店時間になって二人でお店を出た
「…ねぇ、また会える？」
なんでこんなこと言ったのか自分でもわかんない
でもまた会いたいって、そう思ったんだ。
「うん、しょうくんが会いたいって言ってくれたらすぐにとんでくよ」
ふにゃりと笑った智くん
その笑顔に安心感を覚えて
俺の頬も緩む
きっともう、俺はわかってる
5年前に封じた気持ちが再び溢れ出したことを
この高鳴る胸も
智くんの隣が安心する事も
さっきの言葉の真実も
全部、きっとわかってるし
心のどこかでは決まってるんだ、自分の気持ちが。
でもそれを前に出そうとしないのは、俺の中にある良心が抑えてるから
Aとの事を、躊躇してるから
「智くん、これ。いつでも連絡して」
いつも常備している名刺を智くんに差し出す
嬉しそうに、ほわっと笑うんだ
その笑顔に、俺の胸はまた高鳴る
「…しょうくん、ばいばい」
大好き
智くん、ずっと、本当はずっと大好きだった
高校の時から、今日までずっと心のどこかで貴方を考えて、考えないように自分の気持ちを押し殺して
Aと結婚する
そうでもしないと押し殺したものが出てきそうで
諦めよう、それでいいんだ
そうやって今まで過ごしてきた
でももう、俺には出来ないよ。
「じゃあね、さとしくん。また今度…」
あの頃から少しだけ大きくなった背中を見つめて小さく呟いた
大好き
きっとまだ本人には伝えられそうにないから
ふわりと揺れる茶色の髪
華奢な身体
目の裏に焼き付けるように、その姿が見えなくなるまで見続けた。
「…翔くん」
結局俺は自分の都合のいい事ばかりで
Aの事なんて考えてあげて無かった
人一倍俺の事を考えてくれてたのに
俺は…
彼女の事を何にも考えてなかったんだ…。
「…おかえり、翔くん」
いつも通り玄関を開けたら笑顔で出迎えてくれるAに
「ただいま」
俺はまたその笑顔に甘えるんだ。
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えりな - 彼女がとても嫌な女なら『さっさと別れろ！！』って思うけど、めっちゃ良い人だからこのまま彼女と幸せになってほしいなって思ってしまう。彼女めっちゃ健気でなんか翔くんに対してイライラしてしまうわ。(翔担だけど) (2016年11月8日 14時) (
レス) id: 5b5b5a3f48 (このIDを非表示/違反報告)
りんね(プロフ) - 綾猫さん» 綾猫さん、ありがとうございます！ (2015年7月17日 20時) (レス) id: b8faa09a0f (このIDを非表示/違反報告)
綾猫 - とても面白いです。頑張って続き書いてください (2015年7月12日 6時) (レス) id: 2c56ff5eff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんね
| 作成日時：2015年6月11日 20時
