【d!】死んだと思ったら異世界に行っちゃった。2 (ページ46)

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【幽霊】ページ46

em side

洞窟に入ってしばらく歩いた時、嫌な気配を感じた。人の気配？いや違う。おぞましい何かの気配。

「ゾムさんここ…」

zm「分かるか？なんかヤバそうな気配がする。」

「ええ…慎重に行きましょう。」

私達は慎重に奥を警戒しながら進んだ。気配は徐々に近くなる。すると、突然地面に何か叩きつけられるような鈍い音が響いた。

「ゾムさん…！」

zm「まさか…」

ゾムさんは慌てて奥へと走る。私も後に続いて走るも急にゾムさんが立ち止まる。思わずぶつかりそうになったものの寸前で止まる。

「どうしました？」

zm「なんや…こいつ…」

ゾムさんの視線の先に透明ではあるものの靄みたいになり、うっすらと姿が見える。
それは幽霊のような足元は細長い線状になっており、顔はよく分からないが目が赤く光っているのが分かる。

「…これは…一体…？」

そう呟いた瞬間ゾムさん目掛けて一気に飛んできた。と思ったら目の前で一瞬にして消えた。

「ゾムさん！大丈夫ですか？」

zm「俺はなんともないよ…なんやったんやあれ…」

「わからないです…とりあえず奥見に行きますか？」

zm「あぁ…」

そう呟き、ゾムさんは歩き出す。しばらくして少し開けた洞穴に辿り着いた。
奥を覗くと人が倒れていた。ゾムさんが慌てて駆け寄る。

zm「Aさん！」

その呼び掛けで初めて倒れている人物がAさんだと分かった。

「Aさん大丈夫ですか？どうしてこんなに…」

Aさんは口から血を流し、身体中傷だらけで二の腕には大きな引っ掻き傷があった。

『…あの…私…ごめんなさい…皆さんに迷惑ばかりかけて…』

こんな状況でも無理に笑おうとする彼女の笑顔は見るに耐えられなかった。

zm「今はそんな事言うてる場合やないし無理して笑う場面でもない。はよ戻るで？何があったかは手当した後聞くから。」

そう言い、ゾムさんはAさんを背中に乗せる。
私はゾムさんとAさんの荷物を持ち、後ろに続く。