【d!】死んだと思ったら異世界に行っちゃった。2 (ページ42)

今日:6 hit、昨日:13 hit、合計:49,783 hit

【場違い】ページ42

si side

参ったなぁ。Aさんの事は凄く心配やねんけどそれより拠点に置いてきたコネシマの事も心配や。

ni「コネシマの事心配やろ？」

「え、あぁまぁ…心配っちゃ心配やね。」

ni「…まぁコネシマがあそこまで思い悩んでる姿も初めて見るしな。」

「そうやね。」

そんな話をしながら渓谷の周りを歩く。果てしなく続く渓谷。流石にこんな場所で過ごそうなんて考えないか。

ni「……なぁ。」

「ん～？どうした？」

ni「なんで俺らは我々だとしてここに来たんやろうな…」

切ない表情でそう呟く兄さん。確かに言われてみればそうだ。ひとらんも含め、俺達は数年前から動画にも出なくなった。兄さんに至っては音信不通だった。

「…そうだね…なんでやろな？」

俺はいつもの様に笑ってみせた。それを見て兄さんは切ない表情をさらに曇らせた。

ni「……俺は…アイツらと一緒にいる資格がない。」

「………」

俺は何も言い出せなかった。変に励ますことなんてしたくなかったのかもしれない。
''大丈夫''
''そんな事ない''
''気にしない方がいい''
そんな励ましの言葉は結果的に兄さんを傷つけてしまう。

「…それは俺も一緒やと思う。」

ni「そっか。」

そこから俺達は一言も発すること無くAさんの行方を探した。