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朝起きて。
珈琲を飲んで。
お店を手伝って。
勉強して。
夜になったら、エーミールさんの授業をうけて。
たまにショッピ君やゾムさんと遊んで。
たまにオスマンさんに構ってもらって。
鬱さんのお誘いを断って。
本を読んで。
寝て。
気付けば、一週間が経過していた。
そういえばひとらんさん見ないな……。
他の人たちも、しょっちゅうお店にやってくる。
毎日いらっしゃる常連さんとしては。
トントンさん、コネシマさん、ショッピ君、とかそこらへんだ。
エーミールさんは、私の教育係になってから、毎日お仕事が終わってからお店に来てくれる。
本当にいい人だ。
夕方、梯子を登ってお店を覗いてみると、四人用のテーブルに、オスマンさんとエーミールさん、あと最近見なかったひとらんさんが座っていた。
os「……どお?彼女は。」
em「Aさんですか?」
どうやら私の話をしているみたいだ。
em「本当に凄いんですよ!漢字とかもすぐ覚えてくれて!もう小学校で習う漢字は終わりました。」
ht「凄いじゃん。」
os「ゾムん時は半年はかかったで。」
em「そうだ、オスマンさんはゾムさん育ててたんですよね、何か教育のコツなんか無いですか?」
os「んー、英語とか教えるときは何か別の言語と同時に教えたほうが意外と伸びる。」
ht「ゾムが五カ国語ぐらい喋れんのもそれ?」
os「いや……それは俺らのせい…… Özür dilerim(すまんな)」
em「いえいえ、大学でも役立ってるみたいですし、よかったと思いますよ。」
先日聞いたゾムさんの昔話を思い出す。
あの環境で幼い時から育てられれば、身についてしまっても不思議では無い、
おそらく話せるのは日本語、英語、ドイツ語、ロシア語、トルコ語だろう。
なんか、私のこと褒めてもらってる……?
嬉しい…凄い……
カウンターから覗いていると、オスマンさんの綺麗な苔色の瞳と目があった。
オスマンさんはまるで「そこにいんのは最初からわかっとるで」というようにニヤッと笑うと。
os「なんかさぁ、Aちゃん普通に可愛いと思わん?」
ht「子猫みたいでかわいーよね」
os「ちゃうちゃう、女性としてってこと。」
なっ………!?
私がいるのを知ったうえでそれを言うの!?
あと、予想通り、ひとらんさんは私を小動物扱いしてたようだ。
子猫て………。
em「Aさんですか?」
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狐(プロフ) - 投稿楽しみです!頑張ってください! (2020年1月30日 20時) (レス) id: 96285177cb (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - 面白いです!元から一緒にいるのではなく、捕虜という形で打ち解けていくっていう設定がもう好きです!頑張って下さい! (2020年1月30日 7時) (レス) id: d538ff0020 (このIDを非表示/違反報告)
雫 - 続き楽しみにしてます (2020年1月30日 2時) (レス) id: 65016211cf (このIDを非表示/違反報告)
ツナ - 初コメ失礼します…喰種とwrwrdの組み合わせって天才ですか?神ですか?最高です頑張ってください! (2020年1月28日 21時) (レス) id: 0734d8027b (このIDを非表示/違反報告)
アメノエナ - 面白かったど〜!応援してます頑張ってください! (2020年1月28日 16時) (レス) id: ade8211ab6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:某豆氏 | 作成日時:2020年1月18日 23時