宿儺が愛した女性【呪術廻戦】

八 ページ10

Aside


ちょっと待って。
状況が飲み込めない。

「あのッ…なんで私なんですか……？」

まず、何故私が殺されなければいけないのか。
刀を喉元に突きつけられた状態で、問うてみる。

「これから消えるお前に、そんなもの関係があると思うか？」
「大ありです、なんで理不尽に殺されければならないんですか」
「はぁ……手の煩わせることをしてくれる……」

そう渋々言いながら話してくれることになった。

「お前、両面宿儺の縁者だろう？もしくは関係を持っている、否これから持つ予定であろう？」
「………………え？」

私と宿儺さんが…そういう関係？
口元がへにゃと緩む。

「まぁそう言えますねぇ…」

命の危機であるこの状況で、口角を上げてにやにやするこの女はどんな神経をしているのかと思われているだろう。

「そこが問題なんだ。不安要素は取り除いておく」
「不安要素…」
「お前が宿儺との子供を産むかもしれないだろ。そいつが、今の宿儺より、より強い呪いを持って生まれてくるかもしれないんだ」


「それが厄介なんだよ、A」


まだ名前を聞いていない編笠の男の人が腕を引き、刀が遠ざかる。
ほっとしたのも束の間。
勢いづけている為だと瞬時に判断する。





宿儺さん、ごめんなさい。

私、死んじゃいます。

せっかく夫婦になれたのに。



私は宿儺さんのこと物凄く好いていました。

宿儺さんもそうでしたか？

もし、来世で宿儺さんと出会えたなら、




私は＿＿＿＿＿＿＿＿









ザシュッと、肉が切られる音がする。
痛みも何も、感じない。

そういえば、選択肢選ぶの忘れてました…

九→←七

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す