六 ページ8
Aside
妻問婚の為、律儀にも家に通ってきている宿儺さん。
今日もいつもの様に、いつもの時間に家にいらっしゃった。
「お前にこれをやる」
そう宿儺さんから手渡された。
「簪………ですか？」
手渡されたのは簪。
椿の蕾が彫られていて、光に翳すと透けてきらきらと輝く。
「綺麗ですね…」
「お前に似合うと思ってな」
似合うと思って。
その言葉がやけに胸に響く。
「高かったでしょう？頂けませんよ」
そう言い、差し出す。
買ってきて頂いたのに薄情な女だな、と発した後に思う。
でも、こんなに高そうな物は頂けない。
「俺が買ったのではない。"回収"したのだ」
「回収……？」
「これをAに身につけておいて欲しい。御守り代わりだ」
宿儺さんが御守りと言うことは、相当大事に扱うべき代物なのだろう。
無下に出来ないな、と渋々髪に着ける。
「似合いますか？」
「やはり似合うな。俺の見立ては間違っていなかったな」
「ふふ、そんなにも私のことを考えて下さってありがとうございます」
「俺はお前が愛おしくて仕方ないのだ」
「いとおッ……」
平然とした顔で言い放つ宿儺さん。
まるで息を吐くかのように自然と流れ出てきた"愛おしい"という言葉。
「照れさせるようなこと言わないで下さい！」
顔を両手で抑え、火照りを冷ます。
「ｹﾋｯ照れたのか？これから先が楽しみだなァ？」
挑発した様に、にやにやと笑う宿儺さん。
「う……」
「ｹﾋｯ」
それに言い返すことの出来ない私はまだまだ未熟だ。
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うゆに塩湖(プロフ) - あけましておめでとうございます！今年もよろしくお願いします！ (2023年1月1日 18時) (
レス) id: 438eeb11ca (このIDを非表示/違反報告)
うゆに塩湖(プロフ) - 箱さん» こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます！ (2022年12月7日 19時) (レス) id: 438eeb11ca (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2022年12月7日 18時) (レス) @page44 id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
うゆに塩湖(プロフ) - 言い訳−宿儺って死後に呪いなったの今気づきました。…でもいいよね、夢小説だし……。ね？ね？？ (2022年11月27日 22時) (レス) id: 438eeb11ca (このIDを非表示/違反報告)
うゆに塩湖(プロフ) - Ashleyさん» コメントありがとうございます。ワクワクしながら読んで下さることが、本望です。更新頑張ります！ (2022年8月31日 12時) (レス) id: 438eeb11ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うゆに塩湖 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2022年4月10日 16時
