宿儺が愛した女性【呪術廻戦】

三十八 ページ40

Aside

寮から出て、学校へ向かう。
途中下校中の寮生に会い、駄弁りながらも学校へ到着。
玄関まで来ると、嫌なオーラが余計に強くなる。
＿＿＿お化けがたくさん出そうだな…


そんなことを思い、靴を上履きに履き替える。
＿＿＿＿やっぱりいた。


私が通っている学校の玄関には、入ってすぐの所に大きな鏡がある。
卒業生が寄贈したものらしく、結構年季が入っている。
それをお化けが、出たり入ったりを繰り返していた。

無視無視。透過してるだけだって。


角を曲がって長い廊下を歩き、階段に足をかける。
一段、また一段と着々と上りすすめる。


……部活やってないのかな。

吹奏楽部の楽器の音も、
野球部のノックの声も、
バレー部のボールの音も、何もしない。

先生とすら、すれ違わない。

………今日は部活休みの日かな。
必要だもんね、休み。
労働基準法に違反するもんね。うん。
先生は……職員会議かな。
話し合うのって大切だよね。

心の中でそう完結させて、三階まで何事もなく上りきった。
よくやった私。


階段を上がりきると十字の曲がり角があって、そこを左に曲がると一年の教室棟、真っ直ぐ行くと芸術棟がある。
そこの曲がり角を右手に曲がると、突き当たりに女子トイレがある。
男子トイレはその隣。

どちらも学校の設計上、日光が当たらない場所に設けられていて、昼間でも不気味だ。
しかも、今は放課後の学校。
何がいるか分かったもんじゃない。



角を曲がろうとすると、右の方から



＿ｷｲｨｨｨ＿＿＿ ﾊﾞﾀﾝ

＿＿＿ｷｲｨｨｨ＿ﾊﾞﾀﾝ




と、小さな音だったけれど、ドアの開閉音が聞こえた。


………誰かいるのかな。
うん、居残りの生徒だ。絶対。


無心で左に曲がり、ラストの長い廊下にたどり着く。
………目的地は、1年C組。
大丈夫。たった二つの教室を通り過ぎるだけだ。




………廊下が長くなってるとか、




先が見えないとか、




電気がつかないとか、




教室からお化けがこんにちはしてるとか、




絶対気にしないんだからね！

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